2008年 01月 29日
近年までモノコックバスを大量に擁する事業者として有名だった岩手県交通。 私が彼の地に初めて足を踏み入れたのは21世紀を目前にした2000年の暮のことでした。 既に新年の飾りつけが目に付く朝の盛岡駅前、眼前に展開する光景はにわかには信じ難いものでした。 踵を接してロータリーへとなだれ込むモノコックバスの群れ。 CRA・CSA系、CLM・CJM系、富士3E、北村、そしてBU04。何もかもが浮世離れしていました。 僅かな滞留時間に「聖地・岩手」の印象を脳裏の隅々にまで刻み込まれたといってよいでしょう。 その後もバス雑誌等で度々岩手県交通のモノコックバスは採り上げられ、ついにはバスファン向けのツアーが幾度か催されるようになりました。 かくいう私も個人的に岩手に通った他にも、ツアーに何度か参加させていただいたのですが、とりわけ印象深かったのは2004年9月の「第4回クラシカルバス運転体験ツアー」。 要は、教習所構内でモノコックバスを参加者に運転してもらうというもの。 大形免許所持者向けに、教習車使用ながら公道を走行するプランも用意されていました。 北上駅前から、参加者はBU04の753号、769号に分乗し北上自動車学校に向かいます。 現地に着くと、元神奈中バスの北村ボディである191号車がお出迎え。運転体験はこれら3台と教習車を用いて行われました。 エンジン始動前にクラッチの感触を確かめると、思いの外に踏み込みが良く「ダブルクラッチしなくてもいいんじゃない?」なんて宣っていましたが、いざ始動するとそんな甘い観測は木端微塵に。 MT操縦なんて地元の教習所以来だから、正直ドキドキしました。ぶつけたら目も当てられない。 角を曲がる際の半クラで「そんなに踏まなくても大丈夫ですよ」とは教官氏の弁。大形車はあらゆる面で感覚が違いました。 構内に仮設されたバス停にて乗降扱い?したりして終始和やかな雰囲気…楽しい時間は本当にあっという間です。 このツアーで、私がハンドルを握らせていただいたのが「岩手22 き・769」のいすゞBU04。 もうお解りでしょう。画像のバスモデルがまさにその車両なのです。 国際興業赤羽営業所を出自とする1980年式の彼は、私の不安定な操縦にも耐えてくれました。 四半世紀を目前にした風体はまさに満身創痍。でも、その美しいフォルムは不変。 先日たまたま見つけたこのモデルは、1/64「トミカリミテッド ヴィンテージ ネオ」シリーズ。 BU04は国際興業カラーと岩手県交通カラーがラインナップされ、今月発売されたばかりとか。 外観は、側面字幕が中扉上にあり、非公式側にラジエターダクトの無いエンジン直結冷房車。 BU04の直結冷房車は、岩手県交通ではこの769号が最後の車両でした。 ミニチュアカーモデルを買うのも何年振りでしょうか…。 現在岩手の彼の地は、BUはおろかモノコックバスさえも全滅寸前と聞きます。 ショーケースで見つけたあの日の記憶。追憶に浸りながら一杯…。 ※背景のオーナメントは部品即売会で入手したものです。
by ar-2
| 2008-01-29 20:38
| バス(BUS)
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