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赤い電車は白い線

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2013年 09月 24日

渡島有情(3日目その1・松前半島外周~江差の街へ)

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渡島有情(1日目・「あけぼの」に見るブルートレイン象)
渡島有情(2日目その1・回遊!函館市電)
渡島有情(2日目その2・満喫!函館市電)
渡島有情(2日目その3・七飯への途と藤城線余話)

明けて翌2013(平25)年9月14日(土)、昨晩の歓待の席の余韻もそこそこに、長旅の疲れをものともせない?早朝の5時過ぎに起床の儀となりました。本日のメインは来春に廃線となるJR江差線への乗車と、松前半島外周という一見鉄分と無縁ながら実は濃密にリンクするという道中の予定です。



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七飯町にある会長様の実家を発ったのは6時前・・・今回は会長様ご尊父のドライビングによるナビゲートによるところが大きく、恐縮の至りです。画像は出立間もない頃合いの、朝もやに霞む北海道新幹線の高架線です。
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七飯町から江差までは、鉄道利用という概念さえなければR227でのショートカットとなるので、それこそ函館から江差までの普通列車における所要2時間半という数値からは、かけ離れた感覚で到達するようです。R227に限らずかもですが、交通信号機が備わっているのは極々点在する集落界隈のみであり、その走行環境はさしずめ色んな意味で「高速道路並み」というのも、また大きく作用しているのでしょう。
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途中に鶉ダム等を眺めながら山を越え、江差もほど近い「道の駅あっさぶ」で小休止していた折ですが・・・厭な雲が迫ってきました。因みに鶉ダムには鶉川もリンクしていたのですが、「鶉」と聞くとどうしても上砂川支線(函館本線の支線で、砂川~上砂川間を結んだが90年代に廃止)を想起してしまうのは鉄ヲタの性でしょうか(上砂川支線の中間駅名は、下鶉、鶉、東鶉、と鶉尽くしであった)。
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もともと天気予報は良くなかったのですが、そんなこんなでやきもきしながらも日本海側に出、江差の街を眼前に捉えました。
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その江差の街の中心部では、このようにニシン漁で栄えた頃の街並みが保全されたゾーンがあります。位置的にはR227改めR228に並行した山側のストリートです。この画像を撮った直後からバケツをひっくり返したような雨に見舞われ、人影見えぬ朝の江差の街の郷愁の度合いが、一層増幅されたのです。
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途中、街の中心部から外れたJR江差線江差駅に形式的?に寄り道しつつ、隣駅の上ノ国までクルマで向かいます。これは江差発木古内行への送り込みとなる列車(木古内発4170D)に対して猶予があり、折角なので少しでも長く乗車しようという欲目を働かせたが故です。しかし、これが後々皮肉になろうとは・・・。上ノ国の駅舎自体は無人駅の分際で大層立派に見えますが、これは建屋の殆どが商工会の施設であるが故にです。
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その上ノ国駅の待合室には何やら烏合の衆が!?といっても鉄ヲタのそれではなく、厚沢部町まで働きに出ているという壮年女性の集まりであり、送迎バス待ちとのことでした。間違っても江差線の旅客でなかったのが「らしい」ところです。賑やかな集まりがほどなく来た送迎バスに乗ってしまえば、あとは静かな上ノ国駅。その構内はパッと見では行き違い設備の名残り有りにも見えますが・・・
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対向ホームのこれは積込み用のスロープであり、貨物用ホームだったのでしょう。
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雨露に濡れる上ノ国駅7:41、木古内発江差行の4170D・・・即ち江差線の木古内以遠における下り始発列車が、煌々と前照灯を燈して姿を見せました。その歩みはとってもスローリィですが、輝ける鉄路には紛う事無き魂の息吹を感じます。生きた鉄路には独特のツヤと鼓動を宿す・・・それが例え一日あたり僅か数本の往来であっても、です。会長様ご尊父とはここで一旦離れ、木古内で合流の予定です。
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北海道最西端の駅という冠のある上ノ国を後にした4170Dの車内は、予想通りというかほぼ同業者で固められた雰囲気。それでも乗車旅客は数名に留まりますから、この4170Dへのハードルの高さ?が窺えます。というのも、この4170Dに乗車するには木古内ないし木古内以遠にて宿泊しなければならず、且つこれの折返しであり江差発の129Dについても同様であるか、若しくは江差で宿泊せねばならない制約があります。私達が七飯町からクルマ移動という段を選んだのはまさにこの点であり、来春廃止でお名残り乗車のニーズが増大している江差線における混雑を、少しでも回避しようという目論みだったのです。
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上ノ国を発って程なくは、機関の入り切りを小刻みに繰り返していた4170D。やがてストトンと加速して江差到着。本日2度目の江差駅です(ここ重要)。線路終端部の先には界隈に不釣り合いな小奇麗なマンション・・・。こういったものが出来ても、江差線がインフラとしての地位を上げる事がなかったあたりが現実なのです。
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観光色漂うアドバタイズメントが、昔日の賑わいを訴えかけるようで物悲しい。嗚呼、江差駅よ。
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列車はワンマンカーですから、降車時に規定の運賃を支払ってホームに降ります。江差駅には要員の配置がありますが、時間制による窓口営業のみとなっているようです。ホームから木古内方を見れば雨はいよいよ激しく・・・かつては側線を擁していたであろうと察せられる風情もありますが、今や棒線1本の終端駅です。
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ホーム上には夜間留置車両用と思しきハンスコも・・・。色々と観察しながら折返し函館行123Dの発車を待ちます。
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ストーブの置かれた待合室も、一昔前の地方国鉄駅の雰囲気が充満していてビューティフル!惜しむらくは、ここに旅客が溜まるほどの賑わいの見えない事でしょうか。
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と、ここで緊急事態!なんと123Dは大雨により土砂災害を警戒して運休措置!
走る駅員サンと運転士サン、まさかのアメイジング展開に平常心はどこへやらですが、雨脚はそれに比して一層激しくなって行ったのです。

3日目その2に続く)

by ar-2 | 2013-09-24 23:59 | 外出・旅行


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