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赤い電車は白い線

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2013年 01月 14日

エアロスターKの時代~我が神奈中回想録(1)

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過日の記事の通り、神奈川中央交通(神奈中)のオリジナルバスコレクション(バスコレ)の第二弾として、エアロスターKモデルのリリースという、衝撃的なニュースが飛び込んできました。これに関心を示される向きにあってはもはや愚問の誹りを免れませんが、神奈中におけるエアロスターKボディを有す路線車(MP218型式グループ)は昭和60年式から平成4年式までの実に17年間に亘って投入され続け、まさに1980~90年代の「神奈中の顔」そのものでありました。社番略号で言うところの「よおとふちひいはやあつさせまた」の全営業所へと万遍なく配置され、その17年間において製造された実に千数百両の逞しき鼓動は平成18年にピリオドを打つまで連綿と続けられたのです。

私と神奈中の関わりは生まれ育った本郷台はもとより、現居住地の戸塚においても続いてはいるものの、やはり趣味的な見地でのそれはエアロスターKの漸減と共に薄らいで行き、かつては熱心に行った系統・路線の改廃レポートもスッカリ沙汰止みとなってしまっています。尤もこれは時間の確保が難しくなってきたという側面も無きにしもあらずですが・・・。とはいえ、此度のエアロスターKのバスコレ化はそんな往年の「良き時代」を瞬く間に想起させてくれ、いそいそと手許のアルバムを捲らずにはいられませんでした。

そんなわけで今回は、そのアルバムから小ネタ的なカットをピックアップして、エアロスターKを知る世代も知らない世代にも、webという媒体を通じてあの頃の空気の片鱗に触れていただきたく思い、また当該アイテム販売会までのモチベーション堅持?という意味をも込めて展開して行きます(まだ当日のシフトが判らないのですがw)。なお、その記録ですが当社比では膨大なものですので、今後幾つかに区切って紹介したいと考えています(タイトルが(1)となっているのはその目論みによるものです)。

※営業所敷地内における撮影は全て許可を得たうえで行っています



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★港南台駅にて 社番:よ89 横浜22か52-08
エアロスターKといっても様々なのですが、ここでは型式云々ではなく外見的な差異で判別できるレベルでザックリと紹介したいと思います。まずはこちら、WB(ホイルベース)5300mmのM尺車です。相模湾の波をイメージしたという「ウェーブライン」が車体裾にあしらわれた旧塗装である上、前面方向幕の上下方向が狭く且つ白地の相互表示を有す初期のタイプです。これは恐らくMP118等のブルドックと共通化されているのでしょう。年式は不明ですが、昭和60年式と推測されます。
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★平塚駅北口付近にて 社番:ひ138 相模22か35-36 昭和62年式
これも同じくのM尺車ですが車体裾のウェーブラインが直線状へと簡略化され、連動して前面腰板部の「金太郎塗り」もやはり直線状へと改められています。これは昭和62年から採用されたデザインで、平成25年現在まで継承されているものです。
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★伊勢原営業所にて 社番:い100 相模22か40-94 平成2年式
今回のバスコレでモデル化されるタイプです。やはりのM尺車ですが、バンパーのフォグランプが丸型から角型へとマイナーチェンジされているのが特徴。私の知る限りでは平成元年式からこの仕様となっています。
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★横浜営業所本郷操車所にて 社番:よ108 横浜22か57-88 昭和61年式
お次はお待ちかね?の長尺車!です。大量輸送時代の花形であるロングボディのWB5800mmのN尺車は神奈中では平成2年式まで導入され、大学の郊外移転ブームやベッドタウンの拡充で発展した厚木地区を中心に、横浜市内などの需要が旺盛なエリアへと集中配置されました。本型式のWB5800mmには及びませんが、少数派であった日野車でも長尺車は導入され(WB5670mm)、「バス利用率日本一」の神奈川県内の輸送力の一翼を担い面目役如たるものだったのです。
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★旧・戸塚バスセンターにて 社番:と56 横浜22か59-46 昭和62年式
このビジュアルの如き「N尺・新塗装・丸目フォグランプ」の仕様が該当するのは昭和62・63年式であり、両年式合わせて実に215台にも及んだのです。
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★戸塚駅東口にて 社番:と24 横浜22か66-08 平成元年式
フォグランプを角型とした最終形態に行き着いたN尺車は、平成2年式をもって投入は打ち止めとなりました。以後、神奈中に限らずバス事業者は世情の激変による再編を余儀なくされ全体的に縮小傾向へと流れ、もはやかつての大量輸送時代の面影は偲ぶ縁(よすが)も無くなってしまいました。恐らく神奈中に長尺車が蘇る事なぞ、もう二度と無いのでしょう。
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★戸塚駅東口にて 社番:お56 横浜200か5-04 平成4年式
ここからは小ネタで・・・まずはこちら、行先表示機がLED化された車両です。この頃はLEDのクルマをあえて記録していなかったフシがありまして、アルバムの中にあるエアロスターKのLED車カットはこの1枚だけです。戸27系統の廃止がアナウンスされたので、仕方なく?撮影したのではと・・・本数も1日僅か1往復だけでしたので、選択の余地が無かったのです。
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★伊勢原営業所にて 社番:い52 湘南200か5-06 平成4年式
神奈中の車両の特徴の一つとして、前面腰板右に備わっている「運賃支払い方式表示幕」の存在が挙げられます。これは運賃の先払い/後払いといった差異が路線エリア毎のみならず、下手をすると1つの系統における往路/復路に及ぶと言う複雑な事例が存在するが故のもなのです。この表示幕の体裁としては二段書きで「運賃前払い」「運賃後払い」というのが最もオーソドックスなものでしたが、後年になると「前払い」「後払い」と簡略化しつつも「前」「後」のフォントを拡大して強調した仕様のものが出始めました。
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★藤沢駅北口にて 社番:ふ81 相模22か32-71 昭和62年式
これは当初新製車のみが対象であったのが、一部の既存在籍車でも交換するケースが出始めまして、特に先の「い52」は新仕様にして且つ「白地」の表示幕を有すという、エアロスターKでは唯一台の珍車でした。他方、新仕様でも「黒地」の表示幕はそこそこ見られ、この「ふ81」などがそれに該当しました。
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★戸塚駅東口にて 社番:と78 横浜22か61-59 昭和63年式
運賃の支払い方式が変わるということは、前中扉における旅客の動線も変わってくるわけであり、そのため出入口表示も字幕によって区別されていました。因みに当時の神奈中は運賃多区間における「整理券無しの区間」を除けば「前乗り」が原則でしたが、今は中扉に整理券機を設け「中乗り」としているケースもあるようです。昔のアタマで考えると、神奈中が物凄く「変わった」と感じ取れる事象です。その出入口表示幕ですが、私の記憶の限りでは旧塗装の昭和61年式までが「ワンマン」を併記した仕様、昭和62年式以降の新塗装では「ワンマン」が併記されなくなっています。

ところが・・どこにでも例外はあるもので、この「と78」だけは新塗装にも関わらず前扉の出入口表示幕に「ワンマン」が併記されている仕様を備えていたのです(逆に冒頭の「よ89」のように、旧塗装車にしてワンマン併記無しの場合もあり)。恐らくこれは後天的な交換と考えられますが、兎に角他に思い当るケースが無く相当なイレギュラーであったはずです。無論、他エリアでの識は私はサッパリですから、他にこのようなケースが無かったとも言い切れませんが・・・真相は闇の中です。
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★横浜駅西口にて 社番など一切不詳
変わって小さ目の画像ですが・・・これは一時期に採用されたバスロケーションシステム(バスロケ)に対応したアンテナを装備した車両のようです。屋上にT状のツノが見えましょうか。
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それを拡大したのがこちらです。意識していないと気付かないくらい、微妙な存在感ですw
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そしてそれを上部から撮影したものがこちら。アンテナの位置はもとより、ヘロヘロと伸びるコードが確認できます。というかこの角度でわざわざ撮っているとか・・・エラいぞ当時の俺!腕に覚えのあるバスモデラーは、来るバスコレに施してみては如何?
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★踊場にて 社番:と33 横浜22か69-62 平成元年式
と・・・ネタは尽きないのですが今回はここまでです。その〆は2002(平14)年1月15日限りで廃止された、かつての幹線系統である「戸62」の在りし日の姿を偲びましょう。奇しくも窓の外を見やればこの時のような大雪・・・あの日見た「戸62」のイメージがオーバーラップするようでいたたまれてなりません。

エアロスターKの時代~我が神奈中回想録(2)~走るチビッ子ギャラリーバス「カナちゃん号」!に続く)

by ar-2 | 2013-01-14 13:44 | バス(BUS)


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