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赤い電車は白い線

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2010年 11月 28日

讃岐の国に夢を見る(2日目その2・京急天国!琴電琴平線)

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JR高松駅から駅前広場を抜けて琴電の高松築港駅へ。平日朝のラッシュ時とあって多くの通勤客が駅舎から足早に市街へと向かいます。ここからいきなり乗車はせず、まずはド定番の場所で早速「琴電三昧」を堪能しようと思います。



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築港駅から徒歩で玉藻公園バックのお約束の場所へ。平日朝は4連運用が見物・・・まずやって来たのは京王5000系改め1100形1103先頭の4連です。台車はゲージの都合(京王1372mm、琴電1435mm)から京急1000形(※1)のTS310に履き替えています。(※1:以下、特に断りのない場合における「1000形」とは、京急1000形(Ⅰ)のことを指します)
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続いてやってきたのは1000形!ではなく琴電では1080形を名乗りますが、ナンバーが1000番台なのが嬉しいですね。画像の1083-1084は映画「きな子」のラッピングが車体・車内に施されています。これは同映画の撮影が香川県内のみでなされた事に因む由。土休日の昼間帯には車端部座席に大きな「きな子ぬいぐるみ」が置かれ、お子さん達の人気を博しているそうです。1083-1084の元ナンバーはデハ1019・1020、1960(昭35)年川崎車輛製で本年に車齢50年を迎えました。
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こちらは琴電「最新」の1300形です。出自は言わずもがなの1000形ですが、元車が新製冷房車であるのが大特徴。それまで琴電に入線した1000形は従前の手動加速車と「同調」させるためにマスコン・制動弁ともにHL(手動加速)車のものに取り替えられてきましたが、この1300形についてはマスコン・制動弁とも京急オリジナルのままとされていて、逆に他形式との併結運転は不可能となっています。画像の1303-1304の元ナンバーはデハ1291・1298、1976(昭51)年東急車輛製です。
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図らずも早々の「京急天国」の洗礼を受けてぎゃいのぎゃいの言っているところへ、窓上前照灯のヤツがきったぁぁぁぁ!!過日琴電を訪れた某氏によれば、ラッシュ時は「2扉」が嫌われて充当されづらいと聞いていただけにまさにサプラーイズ!京急600形(Ⅱ)改め1070形、真打ちの登場です。8年前にファンタゴンレッドの装いは目にしていますが、イエローツートンも軽やかなイメージになって良し。前面の「差し込み式方向板」も8年前はお仲間が沢山居ましたが、今やこれを有すのは1070形のみです。

画像の1073-1074の元ナンバーはデハ613・616、600形(Ⅱ)の最終廃車(1986・3・31)時の16両の内の2両です。製造はどちらも1958(昭33)年東急車輛、先の1083・1084と2年しか違いませんが、本年で車齢52年を迎えました。思わぬ遭遇に興奮も絶頂を極めましたが、これの折り返しはシャッタースピードが追いつかず轟沈・・・。しかしこの日の夜、幸運にも再び同編成と遭遇し乗車の機会を果たす事となったのです。
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京急祭は終わらない!ラッピングがややウルサいですが、京急700形(※2)改め琴電1200形のみで纏められた4連のビジュアルは2-2とはいえ京急時代のそれ!画像は手前から1213-1214+1207-1208、元ナンバーはデハ704・703(以上1967川車)、734・733(以上1970東急)となっています。(※2:以下、特に断りのない場合における「700形」とは、京急700形(Ⅱ)のことを指します)
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ひとしきり撮影を終えて隣駅の片原町からいよいよ琴電乗車です。琴電三昧には「1日フリーきっぷ」¥1200が必携なので購入します。やって来た仏生山行は1081先頭の京急ビジュアルでの4連。1081-1082の元ナンバーはデハ1011・1012、1959(昭34)年東急車輛製という京急1000形の現役の個体としては最古参の存在。車齢51年、かくしゃくたるものです!
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8年前には琴電入りしていなかった1200形をまずは体験ということで、後部の1205-1206のうちの1205に乗車します。元ナンバーはデハ732・731、どちらも1970(昭45)東急車輛製。車内上部には思わず頭(こうべ)を垂れたくなるような輝かしい履歴の銘板が・・・。
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700形も、よもや第二の勤め先で再び1000形と手を取り合うことになろうとは想いだにしなかったことでしょう・・・。
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5年振り・・・また、遭えたね。150kwの高出力モータを有しながら、京急時代の殆どを本来の使途とはかけ離れた用いられ方で過ごした700形。平成10年になされた「早すぎる廃車」からもその厄介ぶりが感じられ、「羊の皮を被った狼」の悲運さは筆舌に尽くし難いものです。しかしここ讃岐の地で、相変わらずオデコの広い愛くるしいフェイスを湛えかつての僚友と仲良く手を取り合い余生を過ごす様は、京急ファンならば深い深い感慨に包まれ、思わず涙せずにはいられません。遥々讃岐に来て、本当によかった!瓦町、栗林公園と停車する度に空いて行く車内、そして瞼を閉じて耳を澄ませばドア開閉音に京急時代がまざまざと甦ります。
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やがて仏生山到着、終点です。1080形と1200形の4連は回送となり検車区へ引き上げて行きます。その検車区の築港方の奥には、明日の「レトロ車両特別運行」に充てられる300号+500号と、1300形(1301-1302)の姿も。
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その検車区と本線を挟んだ位置にあるのが工場。折りしも1070形の1071-1072が入場中です。手前の1072は素晴らしい仮台車を履かされて、本来の台車の車輪は高圧洗浄中。クラの中には23号の姿が見えます。ちなみに1070形もう1本の1075-1076は検車区で休んでいましたから、これで一応1070形全ての所在確認は果たせました。
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工場側側線には先程のラッピング1200形の4連が・・・早速細部を撮影します。画像の1207(元・デハ734)は東急車輛製で・・・
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こちらの1213(元・デハ704)は川崎車輛製。抵抗器にメーカ違いの差がハッキリと出ています。ちなみにリトルジャパンさんの700形キットは、このどちらの床下機器パーツも同梱するという徹底した拘りを見せていますね。
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果たして仏生山まで来たものの、さてどうするかという事でとりあえず下ります。やって来たのは1085-1086(元・デハ1023・1024)。折角だからどこかで撮りたいよな~と思いながらロケハンがてら車窓を眺めていましたら、岡本の手前の駅至近に溜池を発見!早速下車です。
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南国・四国とはいえ低い陽射しの中にあっては空気が冷たく、30分ヘッドの電車を数本待つのは忍耐でしたがこれも撮り鉄の醍醐味?猫の目天気の晴れ間、さざなみの立つ溜池の傍らを1087-1088(元・デハ1027・1028)はゆっくりと去って行きました。
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岡本に戻り更に下ります。やってきた1211-1212の元ナンバーは何とデハ702・701!忘れ難きファーストナンバーです。
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同車は700形の初期車にありながら廃車の時期が遅かったことから特に知られた存在です。ここでは懐かしい記録を掲げておきましょう。
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その1211-1212に揺られて達したのは畑田。ホームの裏手にそびえ立つコンクリート製の廃墟は、1926(大15)年当時の琴平電鉄栗林(現・栗林公園)~滝宮間開業に合わせて設けられた畑田変電所の遺構です。1980(昭55)年に廃止されて以降も残置され、現在は戦時中に施された迷彩塗装の痕跡を残すことから遺構の保存を求める声もあり、そのままとなっています。
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紅に染まる蔦が見せる「廃」との美!ホーム側に面した壁面には右書きで「琴平電鉄 畑田變電所」の銘板が残り、一見に値します。構内にはかつての行き違い用?の短いホームが残っていたりと、見落としがちな見所のある畑田でした。

ここで折り返し、瓦町を経て志度線へ向かいます。

(つづく)

by ar-2 | 2010-11-28 21:31 | 外出・旅行


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