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赤い電車は白い線

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2010年 08月 31日

西国私鉄漫遊譚(1日目関西編その2・六甲山系に挑む熱風!魅惑の神鉄電車)

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阪神電車の取材を終え、三宮乗換で新開地へ到達。新開地名物?「高速そば」を横目に神鉄電車のホームへと向かいます。



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私の神鉄電車乗車経験と言えば、模型店巡りの折の新開地~湊川間ぐらいでそれも相当以前の事です。というか新開地~湊川間は
神戸高速鉄道の路線ですから、神鉄の車両には乗車すれど神鉄路線には乗車していないわけですね。
そんなわけで今回が実質的な神鉄電車初体験!となるわけです。ホームに停まっているのはデ1371-デ1372-デ1351-デ1352の4連。
中間では先頭車同士が向かい合っていますが、乗務員室は残存するも灯具類は埋め込まれており実質的には4連固定扱いのようです。

車外の客扉上部に出っ張りが・・・。覗いてみたところ何かのセンサーのようです。ちなみにこの出っ張り、最新型のステンレス製6000系以外の
ほぼ全系列に備わっているようです(例外あり)。車幅がやや狭いように思え、それ故にセンサーだけ張り出しているのでしょうか?
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先頭のデ1371のロングシートに落ち着いて発車待ち・・・暫くすると到着列車が。発車かな~と思うもナカナカ出ません。
そうするうちに後から入ってきた列車が先に出て行ってしまいました。優等列車だったようですね・・・やられました(笑 発車案内はよく見ましょう。
先発列車を追うようにしてようやく発車!湊川を過ぎ地上区間に出ますが、長田あたりから「何となく」上りっぱなしの只ならぬ雰囲気を感じ、
フラフラと乗務員室の直後に張り付いてしまいました。これから展開される神鉄のハイライト区間をさも察知したかのように・・・。
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山間の入口に位置する鵯越(ひよどりごえ)のその先、明らかに勾配がオカシいです(汗 これ、登るの?
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その勾配はなんと50‰に達していました。神戸市中心部からの至近に、これほどの急勾配を有す高速鉄道のあることが驚きです。
50‰という値は箱根登山や京阪京津のそれと比べれば劣りますが、これは神鉄の生い立ち、即ち「陸の孤島」と呼ばれた
神鉄沿線と港都・神戸を結ぶという悲願に満ち、そして難航を極めたという路線建設の過程を帰宅後に知る端緒となったのです。
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モータの唸りを伴いながら車体をくねらせ六甲山系の峻険に挑む神鉄電車。予備知識程度の想像を遥かに超えた神鉄の「真の姿」に直面し、
私の中のにあった北神急行の長大トンネルばかりが六甲山系越えのイメージという概念が、今まさに音をたてて崩れていく思いです。
やがて見えてきた古びたホーム。こんなところに駅・・・ですが、これは2005(平16)年に営業休止となった菊水山のホームです。
営業時には普通列車ですら殆どが通過していたというぐらいの「秘境駅」ですが、実はこの駅が休止されていたのを知りませんでした(大汗
尤も5年にも及ぶ休止では廃止と実態は大差無く、再開されることはまず無いと思われます。1度降りたかったですね。
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その菊水山の向こうに短いトンネルと高架橋が見えてきますが、これは菊水山~鈴蘭台間の一部区間が治水対策により建設された
石井ダムの湛水部に及んでしまうため、1995(平7)年付け替えられた新線区間です。旧線はというと画像のちょうど左側へと分かれ、
旧トンネル坑口も現存しているようですが藪に覆われているのかその姿を認められませんでした。
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新線区間の短いトンネル(鳥原トンネル)を抜けると菊水山トンネルに突入。石井ダムを避けるように大きく迂回した長大トンネルです。
菊水山トンネルを抜けても相変わらず上り続け、やがて鈴蘭台の車両基地が見えてくると神鉄の要衝である鈴蘭台に到着します。
ここ鈴蘭台は前述の通り神鉄における要衝駅とも言うべき存在で、車両基地への出入駅としてや有馬線と粟生線の分岐駅としても機能しています。
新開地から辿った距離は8キロ足らずですが、ここ鈴蘭台の標高や実に278メートル!どれだけ登ってきたかを実感させられる値です。
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早速構内の観察です。湊川寄りに引き上げ線に停車中の4連、ナンバーは手前からデ1119-サ1210-デ1126-デ1120と思われます。
1126はもともとパンタ付きだったようでランボードが残存しています。そして1210以外の3両は全てM車ですが、
驚いたことに3両とも台車間全長に及ぶ抵抗器を床下に吊っています。いったいどれだけの電力を消費するのでしょう。
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踏切脇の側線にはホームからも見える茶色い貨車、クホ761とサホ762のコンビです。見た目からしてどう逆立ちしても貨車なのに
「ク」「サ」というのも何だか妙ですが、「ホ」の記号が意味するのはホッパー車そのものでしょう。クホのひょうひょうとした顔つきが特徴です。
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そのホッパー車の動力源となる機関車がこの701号です。1949(昭和24)年にED2001として製造され既に車齢60年を超えていますが、
クホ・サホのコンビとともに工事列車として走行の機会もあるようです。何よりパンタの上がっているのが気になります。通電しっ放しなのでしょうか。
(※2010・9・2補足 この日(8/28)、催事関連回送で本線走行した模様です!)
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ホームから線路を見れば・・・くすんだ金塊が(笑 ではなくてこれ、多分地上子ではないかと。神鉄は他社車両との交錯が皆無なので、
このような独特の形状でも問題無いのでしょう。しかし今までに見たことのないスタイル・・・てかつまづきそうです(汗
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こちらは神鉄唯一のアルミカーである3000形です。1973(昭和48)年に在籍車両100両突破記念として製造された由。
その容姿から「ウルトラマン」のニックネームを有する全電動車の4連で、やはり全車が抵抗器を吊っています。いったいどれだk(ry
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ただこの「ウルトラマン」、編成によっては大量のリタッチ痕とか広範囲の塗装剥離とか・・・見た目がちょっと残念なものが見られました。
勘のイイ方はとうにお気付きでしょうが、神鉄は線路条件の厳しさから全車が発電ブレーキを有していて、その電力消費量の多さも想像できます。
故、保守整備でも安全面に支障の無い範囲での「オミット」もある程度は想像できますが・・・。まさかウルトラマンだけに3分しか塗装がm(ry
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こちらはデ1103-サ1202-デ1102の3連固定編成です。中間のサ1200形は付随車にも関わらず床下の儀装が賑やかですが、
これはMGやCPを積んでいるためで、前後のデ1100形の儀装スペースに余裕の無い事がうかがえます。前面は某氏曰く「小◎急みたい」な 
顔つきですが、バランスの良い2扉の側面見付や18M級車体&前パンというアイテムがそれを忘れさせるくらい?カッコイイです。
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タップリ観察し満足し、新開地へと戻ります。山下りは「ウルトラマン」で・・・平成元年製の編成でした。案外新しいグループもあるのですね。
縦型マスコンの手前の青い目盛が「力行」で奥側の赤い目盛が「発電制動」と推測され、画像の通り発電制動側にレバーが入っています。
この時壁面の電流計の針が振れていたので間違い無いでしょうが、3000系が他に有する「抑速定速制御」というメカについては
それが別回路によるものか発電制動時に合わせて作用するものなのか、調べても判りませんでした。しかし発電制動が新開地までの
駅構内以外のほぼ全区間で操作されていたことからも、神鉄の線路条件の特殊なまでの厳しさをひしと実感するに至ったのです。

某氏ともども初体験の神鉄電車は驚きと発見の連続・・・大変な充実感を胸に大阪方向へと戻ります。

(つづく)

by ar-2 | 2010-08-31 00:00 | 外出・旅行


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