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赤い電車は白い線

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2009年 10月 30日

安全の最後の砦は人

仙台往還の記事は一休みして、今回は今朝(29日)目にした地元の乗換駅(JR戸塚)での出来事についてです。

私はいつものように上りホーム(1・2番線)の神戸方に向かって歩いていました。そうしたほうが下車駅での乗り換えの便が良いのです。
そして時刻にして7:52頃でしょうか、ホーム山側(1番線側)を歩いていた私の傍らでは上りのスカ線が発車の態勢。
やがて閉扉、やや神戸方に居た立ち番の職員氏が前後方向の安全を確認…がっ!?前方(東京方)見るや血相を変えてすっ飛んでいきます。

私も思わず「何ぞや!?」と振り返れば、場所にして基本編成の3号車、閉扉した側扉の外にはスクールバッグ本体がまるまる車外に露出しています。
本業でもないのに反射的に側灯はと見れば「滅」!上り列車は何事も無きが如く発車、加速してしまいます。
その刹那、「ヴァー!!」というあのイヤ~な連続警報音が。これは先程の職員氏のボタン操作により、速やかな緊急停止の手配がなされた故です。
しかし、肝心の上り列車はナカナカ止まらない?

 止まれっ!止まれっ!
もうダメかと思った矢先に上り列車はゆるゆると減速し、停止しました。このあおりを受け、並行して駅に進入してきた客線上り列車も抑止しましたが、
まずは大事に至らずホッとしました。私はそのまま神戸方へと再び歩いていったのですが、程なくして安全確認がとれたとのことで運行再開。
抑止状態の上り客線の後ろには、後続便が機外停車しています。私もイソイソと抑止解除された客線に乗り込み出発しました。
さて、今回の戸挟みによる緊急停止の原因は何でしょうか。単に車両混雑でバッグが収まりきらなかったか、はたまた
駆け込み乗車による「尻尾残し」か。まあ、実際アレだけモロにハミ出しているあたり後者ではないかと私は思うのですが…。

そして件のバッグですが、これは戸挟みの状況、即ち緊急停止後の開扉が無かった(というか不可能)ことと、
当該の側扉の側灯が「滅」であったことからも再開閉も有り得ず(というかそれが出来れば発車していない)、
結論を言えば車外から引張って撤去、回収されたのでしょう。上りスカ線はそのまま戸塚を後にしましたから、
哀れバッグの持ち主は再び戸塚まで戻って引き受けねばなりません。駆け込み乗車の「お叱り」と共にね。

私が乗車した上り客線列車が新橋に着くや、「只今JRでは駆け込み乗車防止キャンペーンを…」というアナウンスが聞こえてきました。
初耳のキャンペーンではありますが、十数年前の「きっぷは正しく目的地まで、フェアゴールキャンペーン」を思い出してしまいました。
…不正乗車は発覚の折には増運賃の課金というペナルティーが発生しますが、駆け込み乗車にそれはありません。
あったとしてもそれはせいぜい周りの他の乗客の冷淡な視線。しかしそれも、駆け込みを平然と行う無神経人間には苦にならないのでしょう。

不正乗車と駆け込み乗車、比較の次元が異なるのは百も承知ですが、それが何あれキャンペーンを張るほどに深刻化しているということだけは
事実なようです。それでも駆け込み乗車には前述したような明確なペナルティーがありません。
きっとその行為に腹を立てた周りの乗客が、当事者の乗客を集団リンチするような事件が頻発でもしない限りは、
駆け込み乗車は永遠に無くならないでしょう。もっとも、そうなっては同時に日本の治安も終了なわけですが…。

しかしながら今朝(29日)の一件を見て思うのは、「安全の最後の砦は人」であるということ。
最近は路線によってはワンマン化・ホームドアの設置などが進められていますが、モニター併用の後部からの確認だけでは防げなかった本件は、
まさに「立ち番」という目線があってのこと。ギリギリのラインは機械には任せられない、そこには人の目が必要なのです。

by ar-2 | 2009-10-30 00:06 | ある日の出来事


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