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赤い電車は白い線

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2009年 03月 14日

風が吹けば…想いは様々

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…止まったのは京◎線だけではありませんでした。
本日は出勤。最寄の公営地下鉄までもがダイヤが乱れていたのには正直ビビリましたが、兎にも角にも向かいました。後で知ったことですが公営地下鉄の乱れの因子は、強風とは直接関係なかったとのこと…まあ続くときは続くものです。
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果たして、私の勤務先方向の鉄道路線はほぼ全滅…ということでワープです。結局定時に間に合いました…。鉄道とバスは特性が異なりますから一概に比較はできませんが…(苦
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そんなこんなでの帰途、ふと思い立って画像の場所に出ました。此処で思い出すのはそう、確か昨年の暮れ、12月の半ばだったでしょうか。

その日は何か理由があって此処に出たのだと思います。陽もすっかり沈んだ夕刻、不意に東京駅の方角からやや長めの汽笛が聴こえました。すでにこの頃は「富士・はやぶさ」のブームであり、主要各駅には野次馬が大挙していたものです。そんな時勢ですから、思わず「今日廃止になるのか?」と素っ頓狂な勘違いをするぐらい、哀愁を帯びた音色の汽笛だったのです。

この場所から、列車の全容を窺い知る事は出来ませんでした。しかし僅かに見えたパンタグラフ。時計を見れば18時過ぎ。そう、それは紛れも無い「富士・はやぶさ」のEF66のホイッスルでした。私はその通勤経路の兼ね合いから、たびたび同列車を色んな場所で目にする機会がありましたが、あの時のような長めの哀愁を帯びた汽笛を耳にする機会は、二度とありませんでした。それほど印象深いものだったのです。

鉄道草創期からのスタイルである「客車列車」を最後まで東京駅で守り抜いた「富士・はやぶさ」は消えました。もう、この場所に立ってもあの汽笛は聴けない、聴こえない。冬空の澄み切った夜の空気を震わせ、腹の底・心の芯にまで響き渡った汽笛を、私は忘れることはありません。それは「ブルトレ」としての容姿そのもの以上に、五感に染み渡る「客車列車」の象徴ともいうべきものでした。

私が乗車したことのある東海道ブルトレは、実は臨時の「あさかぜ81号」(14系2段ハネ)だけだったりします。家族での九州旅行への往路でした。その折の記憶といえば、漆黒の闇夜に響く軽やかなジョイントだけが耳に残った…というところでしょうか。ごくありふれた表現ですが、実際そうだったのです。同じような体験をされた方なら、お判りいただけるでしょうか。


職場のある先輩は言います。

「(ブルトレが要した)長い所要時間というものがある意味「バレて」しまい、(それを)旅情として捕らえられなくなり廃止に至ったのだと思う」

所要時分も短く、運賃も安い航空機などと比した時に、そのプライスレスの価値を見出すことの出来ない世の中になった、ということなのでしょう。どれが正しい、どれが間違ったということはありません。ただそれが現実。いずれ、ブルートレインが伝説の列車として語り部の口上となるのでしょうか。よもや、こんな時代が現実になろうとは…。

by ar-2 | 2009-03-14 21:46 | ベイシティライン・京葉


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