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赤い電車は白い線

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2014年 07月 16日

東武を中心とした北関東(西部)保存車巡り(前編)

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アプローチ記事の通り、先の7月13日に北関東(西部)の保存車巡りに出向いてきました。当初は前日開催予定だったのがスライドしたり、ドライバー氏を急遽変更していただくといった慌ただしさもありましたが、天候もまずまずでしたし、所期以上の収穫も得られて実りある一日となりました。



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集合場所は某赤羽駅前でして、早朝勤務を終えられていたドライバーの某氏のクルマがスタンバイ。しかしここで某氏の謎行動で20分押しという出オチとなりましたが、なんとか面子が揃い出発です。最初の訪問先は「ほしあい眼科」さん。鉄道好きであろう院長サンの趣味と看板を兼ねてか、幾両かの実車が置いてあります。その中でも最新の顔ぶれがこのEF66-45の前頭部です。
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某氏の談ではかなり以前から搬入されていたようで・・・足回りは最終仕様のグレーとされています。因みにこの45号機のもう片方のエンドは「ジオラマ京都JAPAN」に於いて、鉄道模型のコントロールルームとして利用されてるようです。
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前頭部のみの45号機ですが、その裏側には仕切りがちゃんとあります。これが原型かどうか・・・という事ですが、機械室への扉及びその位置についてはオリジナルのものです。仕切りそのもの自体は断定しかねますが、仕切ってある箇所は間違いなさそうです。
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こうして見ますとロクロクの運転室って狭いんだなぁと思わせられますが、これはロクロクに限った事ではなく、国鉄機関車全般に言える事なのかも知れません。人間工学や労働環境をこれっぽっちも慮っていない構造は、運転室における開口窓が左右1枚ずつのみであり、且つ新製時には無かった扇風機が設置され始めたのが昭和50年代に入ってからという点でも、いやがうえに感じ取る事が出来ます。
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お次は総武流山電鉄の電車の前頭部です。手前が元・西武701系の「明星」、奥が元・西武801系の「流馬」のカラーです。しかし、よく見て下さい・・・「流馬」が張り上げ屋根していません!一部で囁かれているように、やはり両方とも701系ボディで、且つ塗り替えたという事なのでしょうか。
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お次はキハ22形223号・・・これのみ1両まるまる保存されています。出自は羽幌炭礦鉄道ですが、鉄道廃止によりキハ221~223の3両全てが茨城交通(現・ひたちなか海浜鉄道)へとお輿入れ。2014年現在も籍を有すのはキハ222のみで、このキハ223は廃車後「ほしあい眼科」さんに引き取られたわけです。
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旋回窓は羽幌炭礦鉄道時代の、そして「ワンマン」表示灯は茨城交通時代からの装備品です。
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・1992(平4)年11月22日 勝田にて
これはキハ223ではありませんが、同形のキハ222の茨城交通時代の記録です。頭頂部が車体色であるか否かで随分印象が変わるものです。
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一挙4両(1両+3面)との巡り合いを果たしたお次は、岩槻城址公園の東武1720系、1721Fのモハ1726です。1720系はDRC(デラックスロマンスカー)の通名のとおり、国鉄との日光への観光客輸送のシェア争いにおける決定打となり、「日光へは東武で」のスターダムを築き上げた紛れもない名車。東武博物館にも同じ1721Fの相方であるモハ1721が現存しますが、あちらは車体の約1/3のみ。完全体で保存されているDRCの先頭車は此処だけです。
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台車は2000系への転用を経て元の物を履いています(多少弄られてはいますが)。このあたりの経緯は神戸のモハ1724・1725と全く同じです。
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運転席を含め、車内には日中時間帯に限り立ち入れます。運転席の椅子は撤去されていますが、狭い空間なのでコケないようにという配慮によるものでしょう。
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運転室にはアンプが備わっていますが、ドアスイッチは客室出入台にありますから、車掌サンは案内放送にドア操作と、運転室と出入台を往来する手間があった事でしょう。
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連結妻側には室外機が隣接して据え置かれていますが、これにより車内の冷房化が実現しています(何 パンタは一時期マトモな上昇姿勢だったのが、またフル勃起状態になってしまったようです。抵抗器が居並ぶこちら側のサイドビジュアルが、如何にも東武電車らしいというかDRCらしいです。
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岩槻城址公園でのDRCの記録とトイレ休憩の後、次に向かった先は行田の洋食店「マスタードシード」さんです。余りにも有名すぎて説明不要なくらいですが、要は東武5700系(5703F)の車体を洋食店として利用されているもの。鉄道車両を利用した供食施設は一時代にムーブメントになった感もありますが、車体そのものの耐久性や時代の趨勢によってやがて閉店するケースが殆どとなり、その点でもここ「マスタードシード」さんは貴重な存在なのです。
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手前に配されているのはクハ703で、TT-3台車を履いています。足回りは緑化の一環なのか(違 緑色(どちらかというとエメグリ)という珍奇さですが、そのお陰で台車や車上子などのパーツが浮かび上がって見やすくなっています。
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D-3FRと泥除けの取り合わせが、いかにも東武電車です。
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エントランスから奥に配されているのがモハ5703。但し運転室側が切断されているので、現存部は車体の約半分です。パンタ部だけ何故か覆いが設けられていますが、ひょっとしたらパンタが残っているのでしょうか。
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スタッフに断って店内を撮影させてもらいます。キャッシャーに向かって右手、横方向に配されたフロアはモハ5703でカウンター席。とても落ち着いた好ましいインテリアです。
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キャッシャーに向かって左手、縦方向に配されたフロアはクハ703でテーブル席。クハ703は運転室から便所までフルで車体が残っていますので、天井に連なるカバー付き蛍光灯やズラりと並んだ狭窓から往年の雰囲気が漂います。
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お籠な画像で恐縮ですが便所です。便器は様式へと当然のように交換されていますが、便所扉や側面の換気窓などは現役の頃からのままです。
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もう一端の運転席は機器類が残っています。
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ここで口直しといきましょうか(汗 私が食したのはチーズ入りデミグラスソースのハンバーグです。ライスをセットにしましたが、到底見合うような量のソースではなく、追加でパン等を頼めばよかったと少し後悔。ここの評判は巷間でも散々出尽くしていますが、スタッフの接遇と「手作り感」ありきだと思います。私達が訪れたのは昼時のピークを過ぎていましたが、訪店客が断続的ながら見えた事が全てを物語っています。因みに立地は駅至近ではありませんが、界隈はクルマ移動がデフォなので問題とはなりませんし、駐車場もその分備わっています。
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ひとしきり食事に満足した後は、外観取材を試みます。テーブル席のクハ703、側窓は内側の壁により潰されていますが、面影はタップリあります。屋上のベンチレータは撤去済に見えなくもないですが、不自然な隆起箇所があるのでそこに眠っている可能性もあります。他に目につくのは、室外機とそこから伸びる冷媒管でしょうか。
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クハ703の便所側です。キャッシャーとエントランスは車体ではなく別棟(アンテナが佇立している箇所)で、そこから縦方向の延長上にキッチンがあります。そのキッチンが収まっているのが、画像手前のトラックの荷室を利用したものです。
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モハ5703の連結妻側は、建物に囲われているのでチラ見程度です。銘版が残っているのが見えましょうか。
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そのモハ5703、敷地裏手からは殆ど姿を視認できません。画像中央よりやや右に、車体裾の茶色が見えます。
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締めくくりはお店の看板です。「マスタードシード」さんでは4種のパスタを選べる料理も名物となっていますので、それも是非賞味してみたいところ。私のところからですと遠方ですので、おいそれとはリピートできないのが本当に残念!近所の方が羨ましいです。既に営業を始められてから20年を超え店舗(車体)の維持は大変でしょうが、これからもますますの盛業を祈念しています。

後編に続く)

by ar-2 | 2014-07-16 13:14 | 保存車両を訪ねて


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