赤い電車は白い線

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2013年 09月 17日

渡島有情(1日目・「あけぼの」に見るブルートレイン象)

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予告編の通り、去る2013(平25)年9月13日(金)夜より、寝台特急「あけぼの」の乗車と江差線乗車を軸とした函館行(車中一泊・現地二泊)に出向いてきました。それでは早速、時計の針を当日まで戻してみましょう。



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13日の金曜日という不吉なフレーズのせいではありませんが、弊ルーティーンは三連休前というタイミングから今年最大と言われるほどの作業量になりましたが、早番勤務であった事は救いとなり「あけぼの」乗車には余裕でスライドできました。「あけぼの」の発車までの若干のインターバルを用い今回同行する二方と壮行会。小一時間ほどで切り上げ地平ホームへと繰り出せば、13番線傍らにあった粋家ラーメンが閉店していたりと、以前とは様子が変わっています。
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ほどなく、ラッパ屋さんが貫通扉を開放した緩急車を先頭に、「あけぼの」が推進回送で入線してきました。この回送スタイルも今や貴重なものとなっています。ホームへと滑り込んだ「あけぼの」は客扱いを開始、早々に寝台へと潜り込む向きもあらば、お約束通り列車最後部/最前部ではカメラが取り囲んだりと、旅立ち前の独特の「韻」がそこかしこに展開します。以下、当日の上野発「あけぼの」の編成です。

EF64 1031(上野~長岡)
EF81 139(長岡~青森)
     ↑カニ24 102 ※金帯
8号車 ↓オハネフ24 7 ※白帯 ゴロンと
7号車 スロネ24 551 ※金帯
6号車 オハネ24 551 ※金帯 ソロ
5号車 オハネ24 554 ※金帯 ソロ
4号車 ↓オハネフ25 117 ※金帯
3号車 オハネ24 7 ※白帯
2号車 オハネ25 148 ※金帯
1号車 ↓オハネフ24 23 ※白帯 ♀ゴロンと
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ひとしきりメモを済ませ、割り当てれた寝台へと向かえばそこには何やら珍奇な物体が見えます。寝台下の空間に仕舞われていたそれは・・・
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通路上部の荷棚(空間)への荷物の上げ下ろしに用いる踏み台なのだそうです。こんな小物が装備されているとは知りませんでした。しかもご丁寧に国鉄書体の固有車番が記されています。恐らく各区画に1個ずつ備わっていると思われ、編成全体で見るとかなりの数が常備されている事になります。
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構造自体は、すべり止めが浮き出た板に、V状の曲げ板2組を溶接したシンプルなものですが、強度に不安な部分が見えないのはいかにも「らしい」。国鉄の仕様ってどれもこれも堅牢で安定感がありましたね。今の車両(と、それを造る人達)には求められない部分です。
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「汚い」と言う人は別として、この踏み台はチャブ台に丁度良い!某シウマイ芸の真似事を披露しようと試みましたが、失敗に終わりましたwww あれはナカナカああ見えて、結構器用な所作のようです。
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これまで幾度も廃止のウワサが出ては消え、それはある意味存在そのものが不安視されているも言える「あけぼの」。ブルートレインと称される寝台列車群もかつては旺盛な需要を誇っていたものの、コストやスペックという最も肝心な部分を時代の波に取り残したままにされ、夜行高速バス然りで確かに存在する夜行移動のニーズに順応させられる事なく、「サンライズ」「カシオペア」といった時代に追いついた後継車両が用意された列車以外は、全て消えゆく運命を課せられたのです。平成の御代に入ってから「みずほ」の廃止を皮切りに漸次姿を消し始めて以来、現在毎日運転の寝台列車(ブルートレイン)はこの「あけぼの」と「北斗星」のみであり、且つ国鉄時代からの愛称名という点で絞り込めば、「あけぼの」が事実上の最後のブルートレインなのです。

特急料金と寝台料金を合算すれば下手なビジホの宿泊料金の倍以上、それでいてチープな寝台とスペックは「時代遅れ」の揶揄の格好のターゲットであり、列車移動と定置型ホテルの単純比較自体がナンセンスではないかという許容論さえも受け入れがたいほど、ブルートレインに対する「一般論」は厳しいものとなっているようです。鉄ヲタの私でさえも、今回の「あけぼの」乗車で抱いた率直な印象は「なんと前時代的な列車であることか」の一点で、以前は乗車していたという車内販売は皆無であり、乗車前に食糧等を遺漏無いよう持ち込んでおかなければミジメな思いをするリスク、且つ寝台解体もなされないまま夜が明けても上段寝台客は上段で過ごさねばならない事、そしてそれが上野から青森まで実に12時間も続くという現実に集約されます。何も知らずに乗車し、上記事象にヒットした旅客が抱く所感は「また乗りたい」か「もう二度とごめんだ」か・・・愚問でしょう。
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上越国境を越えて一夜明けた先は日本海縦線。6:38~42の間で4分停車の秋田では、私が乗車した3号車付近で駅弁屋サンがホーム上にスタンバイ。夜明け以降では唯一と言っても良い食料調達のタイミングであり、駅弁が飛ぶように売れて行きます。秋田の一つ手前の羽後本荘からは立ち席扱いの特急料金のみでの乗車(ヒルネ)も開始され、4号車に続々とヒルネ客が乗車するのが見えます。恐らく4号車については羽後本荘まで、若しくは秋田までの寝台客の割り当てと考えられ、寝台客とヒルネ客の分離が図られています。そうはいっても三連休初日の旺盛さもあり、4号車で居場所が無いヒルネ客が他の号車にも流れ込んできます。秋田(羽後本荘)~青森間の特急列車における「始発」「終発」を兼ねているだけあり、それなりのニーズがあるようです。「荷客分離」ではありませんが、「寝昼分離」の観点に立てば「あけぼの」の置き換えも強く望まれるでしょう。
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八郎潟を出た次駅の鯉川では運転停車で、対向線を駆け抜けて行ったのは「快速」の3640M。「特急」が快速の優先通過を喰らうという冷遇を受けた「あけぼの」は、果たして11:25に定刻で青森着。先頭のEF81は直ぐに切り離され、最後部には引上げ牽引を担うDLが連結されます。私の青森入りは新幹線開業前のこの時以来・・・3年振りですか。季節も前とはうって変り、印象も別物です。

乗り継ぎ列車は「スーパー白鳥15号」で、新青森発の時点でほぼ満席の様子。私達は指定席を押さえていたから良いようなものの、2両しかない自由席では詰め込み切れないのか、アナウンスでは自由席客の指定席車両での立ち席乗車も認める由。このあたりは柔軟な対応が求められるところです。津軽海峡線は青函トンネル以外に見るべきものもなく、前回のような渡道の感激もイマイチ湧かないまま(やはり北の大地は冬こそなのでしょう)北海道入り。木古内では江差線乗り換えも多いのか纏まった降車を経て、スーパー白鳥15号は函館のホームへと滑り込んだのです。

2日目その1に続く)
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by ar-2 | 2013-09-17 10:13 | 外出・旅行


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