人気ブログランキング | 話題のタグを見る

赤い電車は白い線

khkar2.exblog.jp
ブログトップ
2012年 11月 29日

POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)

POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その1)
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その2)
に続く(その3)です。といっても残すはボディと動力ユニットのドッキングだけですが・・・。
なのでこの機会に、私が初めてクモハ12と接した際の記録を数葉ですが振り返ってみる事とします。
※以下3枚、全て1989(平元)年12月10日撮影
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)_c0155803_17133941.jpg

こちらは恐らく今も不変であろう鶴見駅の鶴見線ホームですね。鶴見臨港時代からのリベットだらけの鉄骨支柱の上屋がクモハ12と絶妙のカップリングを見せています。画像の12052が表示する行先は大川・・・まだ日中にも設定があった頃です。

兎に角「旧形国電」というものに触れるのが初であった私、その第一印象が強烈であったろう事は想像に難くありません。ベレー帽を被せたような白熱灯が仄かに照らす薄緑色に塗り潰された化粧板、独特な靴音を響かせる木床。刹那、「デコデコデコデコデコ・・・」とAK-3が重低音の雄叫びを上げれば発車は近い!MT15系が繰り出す響振にビリビリと揺さぶられる車内を包み込んだ、温もりとサラウンドに満ちた吊り掛け駆動の音色を私は決して忘れません。
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)_c0155803_1727418.jpg

居住地と同じ横浜市内にクモハ12がありながら、私が足を運んだ機会はそう多くはありません。言わずもがな他の興味対象との比重もありましょうが、少なからぬ価値を認められている(と客観的に感じた)クモハ12が引退するなんて「全く」思っていませんでしたから・・・あの頃は若かったのです。

初めて訪れた大川駅のロケーションにも当時は驚かされたものです。乗客以外に人気の無い工業地帯に決して広いとは言えない棒線ホームがぽつねんと佇み、自動券売機はあれどオレンジカードが使えない(当時のメモによる)とくれば、如何にも浮世離れした感覚を抱かずにはいられませんでした。側線に留置されているホキの存在だけが、確かなもののように思えたほどです。
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)_c0155803_17321746.jpg

同じく大川での12052の後位ですが・・アッ、方向板が助士側じゃない!
「似て非なるもの~クモハ12050の場合」記事中の画像の通り、1991年頃はその方向板が助士側の据え置きとされているのです。私が昨日のPOWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その2)において「一見中桟のように・・・」としていた(記事訂正済です)運行灯の保持具もどうやら実際に「内枠の中桟」だったようで、こうして見ると晩年の時期時期においてそれなりの形態差のあった事により考証の求められる事実は、今更ながら興味深いものです。
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)_c0155803_17413678.jpg

それではドッキングさせた1/150です。まずは2-4位側、鶴見駅基準で言うところの山側です。
今回のキット組みではベンチレータや前照灯の別売パーツ化も検討しましたが、「素材の持ち味を活かし、それに応じたバランスを慮る」という基本スタンス故に結局は見送りました。市井のディテールアップパーツの類を否定するつもりは毛頭ありませんが(私も少なからず用いる)、何でもゴテゴテ盛ればイイってものではないですよね・・・くどいようですが「バランス」ありきなのです(最近、GMの1984年版カタログ中で鈴木画伯が全く同じ考えを述べられているのを発見し、大いに意を強くした次第です)。
POWER GATEに生きた古豪!~クモハ12052の製作(その3・了)_c0155803_1749972.jpg

こちらは1-3位側、鶴見駅基準で言うところの海側です。
このキットが発売された頃には「屋根が深すぎる」との見解というか評があり、実際に屋根をGMの17M級旧国のモノにトレードした猛者も居るようですが、私的にはそこまで実車イメージと乖離するほどの違和感は感じません。このあたりは個人差でしょうが・・・。

で、恥ずかしながら私が旧国の板キットで完成まで持ち込んだのは本作が初めてです。これまでの歴史は挫折という敗北であったり、仕掛かりという体たらくであったり・・・。1両モノだから何とかなったという穿った見方も出来ますが、やはり「思い入れ」ありきなのでしょう。それだけに感慨もひとしお・・・卓上の往復線で暫しあの頃に耽らせてくれることでしょう。

by ar-2 | 2012-11-29 18:01 | 鉄道模型(国鉄・JR)


<< 生田緑地のスハ42 2047を訪ねて      POWER GATEに生きた古... >>