赤い電車は白い線

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2012年 08月 05日

【久良岐公園】横浜市電1156「納涼ライトアップ」に出向いてきました

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表題の通りですが、市電保存館を除けば五指に収まる(野毛山動物園、久良岐公園、六角橋免許センター、中田小)ほど数少ない横浜市電の保存車の1両である、久良岐公園の1156号の「納涼ライトアップ」に本日退勤後立ち寄ってきました。

私が初めて目にした3年前の夏季の1156号は、鉄屑同然というよりはもはや鉄屑そのもので行く末を悲観させる状態でしたが、そんな同車に向け神奈川新聞社のレールファンである記者の呼びかけにより「ボランティア」での修復プロジェクトが立ち上がり、3年前の荒廃が嘘のような見事な修復が果たされたのです。今回の「納涼ライトアップ」は7月に続いての第2回目でして、初回は都合が合わなかったものの今回は稀少?となった早番ルーティーンのアフターというタイミングで、その機会に恵まれました。



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舞浜からのアシとしては、とりあえず横浜から根岸線乗り換えで磯子か京急乗り換えで上大岡・・・となりますが、当初考えていた根岸線乗り換えは山手線における人身の影響で待たされそうなので、無難な京急へとスイッチです。でもってここでもピンポイント遭遇・・・2157です!
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上大岡からは京急バスの「上3」系統汐見台循環で久良岐公園前停留所を目指します。この系統は初乗車ですが、日曜夕刻という時間帯だけあって買い物の帰宅客の需要が旺盛で、始発から満席&立客な上に2ツ目の停留所である仲之町(セブンアンドアイ最寄り)や、更にその次停留所である鹿島神社(業務スーパー最寄り)からの乗車が目立ち、生活路線として溶け込んでいる印象があります。京急本線の山側の住宅地をグイグイと登り切れば自然の起伏を生かして造成された汐見台の丘へと突入し、迷路の如く方向感覚を失うようなウネウネとしたコース取りて目的地の久良岐公園前に到着です。
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停留所名は・・・ですが、その久良岐公園自体のエントランスまでは少し歩きます。近傍に佇立する地図で確認しましょう。そのエントランスから下ったあたりにある電話ボックス・・・最近はあまり見かけなくなったタイプですね。
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その先へと歩みを進めれば・・・見えてきました。3年前とは明らかなる別人の印象、そしてそこに点る燈!
時間帯が時間帯だからというのもありましょうが、市井のイベントにありがちなお祭り騒ぎの欠片は微塵も無く、本当に「横浜市電が好き」な向きが集まっているのでしょう。どの人達も配慮や気遣いを忘れない立ち居振る舞いで・・・思わず「レールファンって、こんなにも紳士的だったのか」と、ある意味毒されているような印象にハッとさせられたのです。
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そして他ならぬこの角度の画像も、ボランティアと思しき年長の方の「どうぞ好きに使って下さい」というご厚意で得られたものです。こちらとしてはひどく恐縮したのですが、先方からすればこのような配慮がさも「当然」かの如くで・・・数多のレールファンは、撮影技術よりも以前に磨くべきものがあるでしょう。
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ガムテープの絆創膏が貼られていたサイドもご覧の通り。
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車内のシートは「雰囲気重視」で代用品とされていますが、これの出自は何と相鉄7000系!同社から無償で寄贈されたものだそうです。
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外周のフェンスに貼られた修復の顛末を紡ぐボード。多くの方の手によりこのプロジェクトは日の目を見、結実したのです。そこにはまず維持/修復に関わる「先立つもの」として資本が慮られるでしょう。しかしそれ以上に求められるのは実は求心力ではないかとも思います。そしてその求心力はどこから発せられて、どう「維持」して行くのか。どんなに資本が潤沢でも求心力が潰えてしまっては元も子もありません。車両保存に限らず数多の事象に当て嵌まる事に思え、考えさせられます。
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「遠き山に日は落ちて」
横浜市電全廃から今年で40年・・・現役よりも遥かに長い年月をここ久良岐公園で過ごしてきた1156号に心あらば、いま何を思うのでしょうか。
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来場したファンの中に系統板とサボを持参された方がおり、そのサボがまた大変な珍品!何と1955(昭30)年に行われた神奈川国体時の「選手/役員 専用車」サボ!もちろん本物でサボ枠にもジャストフィット。貴重なアイテムを見させていただきました。
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やがて空の白みがもう完全に消えようかという頃合いの19:30、予定通りライトアップは終了しました。私が訪れた18:30過ぎ頃からはあまり入れ替わりが無かったのですが、この間には市電に学生時代に接していたという夫婦連れの方が見えたりと、レールファンのみならず記憶に市電が生き続けるであろう方々がこのライトアップ関心を寄せられていたのが印象的でした。
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そういえばこちらの妻は番号板が欠落していたんですよね。もうそんなのがウソとしか思えないほどの外観を取り戻しています。次回のライトアップは未定とのことですが、タイミングが合えば是非にまた足を運びたいイベントでした。
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現地で販売されていたポストカードセット(売上は修復費用に充当されます)と、来場者に配られた名刺サイズの栞。その栞の裏面に綴られた「プロセス」には思わず襟を正せさせられる気がします。ポストカードセットの表紙になっている中央市場線/生麦線廃止時の装飾電車ですが、実はこれこそが1156号の現役の姿!単に1150形最後の現存個体というだけでなく、所縁のあるナンバーだったのですね。
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by ar-2 | 2012-08-05 22:45 | 保存車両を訪ねて


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