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赤い電車は白い線

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2012年 01月 27日

去りゆく轍の音

去りゆく轍の音_c0155803_17412725.jpg

※実車画像は全て2010・8・6吉原にて

以前にも此処で触れましたが、ワムハチがいよいよ3月改正で消えます。事業用としてはそれ以後も残る固体はありましょうが、列車単位ではジ・エンド。かつて90年代後半の飯田町紙列車消滅の時も大騒ぎしていたような記憶がありますが、いよいよ地域単位ではなくワムハチ組成による貨物列車そのものが消滅せんとしているのです。

巷でも散々囁かれているように、これにより致命的影響を被る岳南の存亡が取り沙汰されている事は残念でなりませんが、他方岳南をへと足を運ぶ同業者の数が日を追って増えているであろう事は想像に難くなく、最終末期ならではの「醜い面の集約された世界」へわざわざ踏み込む事もぞっとせず、あまつさえその副産物の如き発生する「制約や規制」を慮れば、到底気分良く撮影に興じられるとは思えません。その点でもいやらしさを承知の上であの時行っておいてよかったと返す返すも思わせられるのです。比奈の小田急廃車体倉庫も昨年夏に解体されてしまったようですし・・・。

今回は私にとって現時点での岳南「最終」訪問となっている一昨年夏の記録を蔵出しし、ワムハチの標記についてちょっと重箱の隅を突いてみたいと思います。以下に或る5両の車番と「自重」を記して行きます(画像でも判読できると思います)。
去りゆく轍の音_c0155803_1743265.jpg

・ワム380060 自重10.8t
去りゆく轍の音_c0155803_17441178.jpg

・ワム380307 自重10.9t
去りゆく轍の音_c0155803_17445978.jpg

・ワム380342 自重11.0t
去りゆく轍の音_c0155803_1747985.jpg

・ワム380023 自重11.1t
去りゆく轍の音_c0155803_17474754.jpg

・ワム380410 自重11.2t

もしかしたら他の自重数値を有す固体もあるかも知れませんが、この時私が確認できたのは上記の5種でした。実は記録した一昨年当時にはこれについて早々に記事化するつもりがあったのですが、他にネタがあったのか流れてしまったようです(汗 そしてそれが日の目を見るキッカケがワムハチ列車消滅によるものですから複雑です。

その自重数値ですが、貨車に対してのきちんとした「概念」や「識」というものを私は得ていないのでこのような捉え方しか出来ないのですが、何というか凄いファジーに思いました。100キロ単位でも瞠目しますが、それが最大400キロもの幅があるのですから・・・。とはいえこれも、数十トンレベルの自重が仕様である鉄道車両にとっては一定の「遊間」に過ぎないのかも知れません。その数値の差異が何を指し示すのかは不明瞭ですが、私的にはかなり目を引き興味を抱いた標記でしたのでオチ無しを承知で記事化した次第です。
去りゆく轍の音_c0155803_17582878.jpg

※奥から、トミー、カトー、トミックスです

私がワムハチの組成列車を現時点で最後に目にしたのは、新年会前の突発スプレー買出し時の帰途に最寄り駅のホームに降り立った刹那であり、下り貨物列車で勢いよく滑り込んできたワムハチはコキ群との併結ではあったものの、あの「タンタン、ガチャガチャ」という幼少期より耳にしてきた何一つ変わらない轍の音をありったけ奏で、視界から走り去って行きました。

「消え去ったものが変わる事はないから、記憶も記録も美しいままである」という理を今一度噛み締め、ワムハチにもそうあって欲しいと念じずにはいられません。だからこそ私はあえて距離をとって、そっとお別れをしたいと思います。

さようなら、ワムハチ。永い間お疲れ様でした。

by ar-2 | 2012-01-27 18:12 | その他の鉄道


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