赤い電車は白い線

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2011年 11月 26日

追いかけて讃岐路(2日目その3・雨露に濡れる轍を駆って)

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「前夜~1日目その1」「1日目その2」「1日目その3」「1日目その4」「1日目その5」
「2日目その1」「2日目その2」に続いての「2日目その3」です。

築港を発車したレトロ列車の3229レは瓦町から件の一日車掌・小泉みゆきさんとその追っかけ一群を拾い、鉄ヲタの兼業者や専業者、更には偶々乗り合わせた旅客を載せ、一路琴平を目指して行きます。空模様は生憎ですが乗って楽しい古典車両の雰囲気は健在であり、120の雨漏りが少々気に掛かりながらも滝宮到着。ここではおよそ36分のバカ停となり、列車番号も3031レへとシフト。先頭部付近では小泉さんのフォトセッションも行われ、如何にもイベント列車らしい雰囲気が漂います。



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一日車掌をかたる?からには単に添乗するのみならず、マイクを用いてのアナウンスを担ったりもするわけですが、瓦町からは23に添乗していたのが一宮からは120、そして滝宮からは300へと区間毎にハコを変えて行き、追っかけの一群もそれにシンクロして行くのには思わず苦笑い。まあ天候に左右されず楽しめるというのは何より・・・でしょうか。そんなこんなで36分のバカ停と列車番号のスイッチを伴う滝宮には13:26着です。

ここでは先に触れましたように小泉さんのフォトセッションもありますが、鉄ヲタ的には上りホームからじっくり古典車両を狙える楽しみがあります。今回の3連組成の築港方を飾るのはインテリアがアンティックな20形23号、その外観はおよそ1925(大14)年の川崎造船製とは思えぬほどに「別物」と化していますが、そうした幾度かの更新があったからこそ今日まで生き延びている事実も見逃してはなりません。また20形はその製造年次が旧いにも関わらず、両運転台電動車且つ15M級という琴電にとっては手頃なサイズであった事や、前記の如く外板張替え等による更新が重ねられていた事が幸いし、琴電入りした4両全車が2006(平18)年まで健在であった事は特筆され、琴電における平時の営業車冷房化率100%達成後はこの23のみが動態保存車として籍を有しています。
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停車時間を利用して方向板の差し替えや、後部での前照灯点灯のサービスも(画像では後続の琴平行入線につき消灯しています)。方向板は往年の使用品と思しき緑地の「一宮行」、青地の「高松築港行」のほか「回送」「試運転」も掲げられました。そうこしていましたら後続の下り列車が到着。13:42発の琴平行はここでレトロ列車を追い越す格好となるわけですが、これに乗車して先回りしレトロ列車を迎撃する事にします。今回のレトロ列車のスジで注目していたのが実はこの点であり、大まかな撮影ポイントの事前選定も済ませての讃岐入りだったのです。果たして天候は・・・ですが、レトロ列車への乗車は明日も予定していますから、悪天候承知で先回りの選択肢を採りました。
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当初の青写真では羽間~榎井間の旧国道から狙うつもりであったのですが、先回り列車で現地ロケハンの結果、羽間の手前によさそうな築堤があり、且つ勾配を有すも場内信号が近い?のか、それほど加速せず進行するので悪天候下でのシャッタースピード稼ぎには好都合であり、その場で撮影地変更を即決したのです。果たしてそのポイントまで急ぎ待つこと10分程、先程まで乗車していたレトロ列車が姿を見せました。
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ライトグリーンも眩しい菜畑の向こう、僅かにモヤがかった山並みを後背にして大正生まれの古強者の3連一行はゆっくりと築堤を登り詰めて行きます。雨露に濡れコントラストを強くした景色の中にあってはモノトーンの車体よりも明るめのグレーで彩色された足回りが良く目立ち、目にも美しいイコライザー台車はまるで浮かび上がるようです。とりわけ最後部の23は琴電において弓形イコライザー台車を架装する現役の固体としては最後の存在であり、手をとり連なるU型イコライザー台車との対比もサイドビューならではでしょう。
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築堤を越えて羽間に進入するレトロ列車を見届け、駅へと戻ります。ほどなく来た14:25発で琴平へ追い付き、一旦改札を出てからやはりレトロ列車の3046レで折り返します。本日は滝宮でのバカ停もあってか琴平でのインターバルは23分と短めで、月イチ運行のスジの1時間オーバーと比べれば慌しいです。14:43発の定期列車の後を追う様にレトロ列車もその6分後に琴平を発車。旅客は往路より目に見えてグッと減り、これはフォトセッションのイベントが往路のみであった事も作用していると思います。最後部の300では小泉さんと熱心な追っかけ一群が一息といったところです。
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私達はというと、雨漏りも小康状態?となったガラガラの120に乗車。前後の300や23には個性があるので、どうしても120には集まらない傾向があるようで・・・なんて事を考えていた刹那、往路も乗車していたことちゃん・こちみちゃんが120に乗車してきました!明確な寸法値は知りませんが、120のみならずレトロ車両の客扉はおしなべて狭く、ことちゃん・ことみちゃん共に付き添いのスタッフさんに半ば強引に押し込まれるカタチでアシストされながらハコに収まったのです。

そんなことちゃん・ことみちゃんは、120の典雅な一段下降窓を落として貰いクチバシを車外にハミ出す格好というサイド狙いの撮り鉄阿鼻叫喚レベルの珍奇なポージングでの乗車となり、空席ばかりが目立つ120の車内の「亜空間」を際立たせるシュールなシーンが展開したのです。そんなご両名は昨11月18日に金刀比羅宮本宮で結婚式を挙行し、かつて琴電倒産という悪夢の後の「再生ことでん」のシンボリックともいうべきキャラクターとして2002(平14)年に登場して以来親しまれている地位を更に昇華させたのです(2002年当時はことちゃんのみ)。

因みに11月18日と言いますと、京急の羽田空港(Ⅱ)駅(→現:羽田空港国内線ターミナル駅)の開業日であり、また舞浜最寄りの某園における唯一ネ申とも言うべき三ッ◎ーの誕生日でもある等、まことに印象深い事象が刻まれた日付であることは特筆されましょう。それはさておき、ご両名の注目度は抜群であり高松市内中心部へ近付くにつれて乗車旅客の眼差しが注がれ、ホームで待っていたお子さんは120にご両名の姿を見つけ駆け寄り、反対側の対向式ホームのベンチで列車待ちのうら若き女性連れは歓声を上げながら手を振り、何も知らずに120に乗車した伯母さんはご両名を見つけるや「昨日結婚したのよね」と声を掛けながらケータイで記念撮影に興じるなど、それが一事業者におけるキャラクターといえど9年という月日は伊達ではなく、全く持って鉄板的な人気を有していたのです。
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落とされた一段下降窓の向こうに見えるブルーとピンクの躯体は人目を引くのにバツグンであり、瓦町を発車して市街地へと突入すれば並走するチャリンコの伯母さんは刹那驚くもその姿を認めて思わずニッコリ。踏切の右折待ちの佐◎のドライバーも目を丸くする等好奇の眼差しは容赦なく注がれ、レトロ列車としての珍しさに輪を掛けた出で立ちはさしずめことちゃん・ことみちゃんのブライダルトレインのようであり、レトロ列車運行に大いに華を添えたのです。

そんな楽しい雰囲気に満ちたハコではありましたが私達は片原町で下車し、築港から僅か30秒のインターバルで折り返して来る3243レを近場の踏切から迎撃。「佛生山」の方向板を掲げたトリのレトロ列車は吊り掛け駆動の轟音を市街地に響かせながら颯爽と駆けて行きました。この後、瓦町の駅ビルである「高松天満屋」において12月4日まで催されている「ことでん百年目の写真展」を観覧してきましたが、その会場である8Fまでエスカレータで上がった際に3Fフロアの天地が他フロアと比べて大きく、4Fまでのエスカレータも当然のように長かったのが印象に残りました。

私は百貨店はもとより建築に関してはトーシロというか門外漢なので、こういう建物なのだろうと納得するより他なかったのですが、帰宅後に目にした文献に何と「3F部分にホームを設ける計画だった」とあり、推測の領域を脱しませんがそのあたりと関連性があるように思えてなりません。琴電倒産の致命傷となった「コトデンそごう」についてはもはや改めて説明するまでもありませんが、客観的に見てタダでさえ過大なスペックの百貨店に加え、琴電自体の高架化計画もあったとするならば・・・あまりにも壮大すぎます。

京急分は薄けども、ある意味ネタ的?には濃かった2日目はつつがなく幕を下ろしました。
いよいよ次回は最終日3日目となります。

つづく
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by ar-2 | 2011-11-26 22:36 | 外出・旅行 | Comments(2)
Commented at 2011-11-27 20:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ar-2 at 2011-11-29 21:45
↑さん、こんばんは。
かの文献を目にするまで高架化事業のあった事さえ知らなかったのですが、ここまで具体的に進んでいたとは・・・驚きです。
更にはその「未成」スペースの顛末も、現地に立てば納得できるものです。
しかしそのタイミングは・・・余りにも不遇です。事業中止までのインターバルがその未練さというか、
全てを物語っているように思えてなりません。

>第一閉塞信号
これについても合点がつきました。こちらの感覚ではノンビリした踏切だなとは思っていましたが(汗


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