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赤い電車は白い線

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2011年 07月 09日

京王3000系に想う

京王3000系に想う_c0155803_123478.jpg

※画像は17F
このところ1/1ネタばかりで9ミリを全く弄っていないかと言えばさにあらず、京王3000系の14Fをジワジワと進めていたりもします。もう同モデルについては今更連載するまでもなく・・・ですので、「鉄道模型(京王)」カテにおける過去記事を参照いただければ幸いです。そんな京王3000系も29Fが離脱し搬出・・・で全廃?かと思いきや、そうかまだ28Fが残っていたんですね。まあ何にしろ後が無い「ラス1」となってしまったわけですが、京王初のステンレスカーであり5000系に続くローレル賞にも浴し、今日の井の頭線のキャラクターというかイメージを打ち立てた存在という紛う事無き名車であり、どうか最後はそれなりの手向けがなされて欲しいと願わずにはいられません。

その京王3000系によるイメージ・・・といえば、それまでの鉄道車両からは考えられなかった編成毎に異なる塗色を纏った出で立ちにあり、その明るいレインボーカラーは沿線に学び舎の多く点在する事と相俟って、文化の香りとしての「気高さ」と華やかさ」が同居するという、まさに井の頭線ならではの「空間」と「空気」が醸されたと申しても過言ではないでしょう。こういった視点での所感については相当以前に京王の駅構内で頒布されていたミニコミ誌の連載記事において、コラムニストにして路面電車ファン・バスファンとしても知られる泉麻人氏が記されており、氏はその記事中においては東京の電車としてのオシャレさと、旅客に女学生の多い事等についても触れられていました。

http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4041980011/bc00-22/ref=nosim/
もう一つ井の頭線に関わる記述として記憶に残るのは、平成5(1993)年に刊行されたTK著のエッセイ「告白は踊る」の一文です。現物が手許に無いので曖昧な部分が多いのですが、本著の中でTKは井の頭線の台車の外側のギラギラした円形のディスク・・・云々に目を惹かれた?といったような内容を記してあり、その表現からしてPⅢ台車を指しているのは間違いなく、これもある意味井の頭線の「イメージ」の一つではないかと考えられます。本著は私が興味を持って目を通したのではなく、当時TKにハマっていた妹が購入し、その一文に鉄道関連の記述があるよ・・・と教えられ知った次第です。TKについては例の一件でオワコン視されている傾向が強く思えますが、未だ根強いファンも多く且つ90年代に「一時代」を築き上げた事もまた事実であり、以降のJ-POPが沈滞の途から抜け出せていない現実を鑑みれば、その存在は「一面だけ」に囚われなければこれからも評価されていくのではと思います。

以上のコラム&エッセイのどちらからも受け取れる京王3000系のイメージは、鉄道車両においては重きがおかれるはずのハード面では無くソフト面にある事は明白であり、例えば「京急の電車は速い」といったハード面ベースの客観的イメージとは一線を画すものなのです。もっと言うと、京急の電車が「赤い」のは一つの形式によって成されたものではないのに対し、京王井の頭線のレインボーカラーは3000系という電車の「一代」によってもたらされたものであり、この点においても首都圏の民鉄における他例は見当たらず、まさに我が国の民鉄通勤電車におけるエポックメーキングの極みにあると言えるのではないでしょうか。

そんなクルマだからこそ・・・最後はどうか華やか賑やかに送り出して欲しいものです。人出がどうとか混乱がどうとかの類のロジックばかりでは何らの発展に繋がりません。これは3000系に接し愛でて来た者としての偽らざる率直な心境です。

by ar-2 | 2011-07-09 13:03 | 鉄道模型(京王)


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