赤い電車は白い線

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2010年 11月 29日

讃岐の国に夢を見る(2日目その3・志度線旅情)

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畑田からの上りは、先程仏生山から岡本まで乗車した1085-1086。瓦町まで戻ります。
瓦町からは昼食も兼ねて志度線沿線へと出向きます。



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瓦町における志度線ホームは、改札内コンコースから動く歩道2本を有す連絡通路を介して到達します。かつて構内で3線(琴平線・長尾線・志度線)が全て接続していたのは1994(平成6)年までのことで、以後は「コトデンそごう」を併設した地上11階・地下3階建のターミナルビル建設に伴い、志度線は完全に分離されるカタチとなったのです。このことにより、それまでスイッチバックしてまでなされていた高松築港~志度線間の直通運転は廃止され、逆に線内運用のみであった長尾線からの高松築港乗り入れが復活し、長尾線・志度線間の立場が逆転してしまいます。

私が初めて訪れた1997年夏は瓦町のターミナルビルがオープンして程無い頃でしたが、志度線のみならず長尾線もその時点で「冷房化率0%・電動車の吊り掛け駆動率100%」であり、旅客からは「同じ運賃を払っているのに(琴平線のような)冷房車が無いのはおかしい」と批判の声が上がる始末。そのうえ志度線に至っては築港直通廃止という「不便の上塗り」で、その不満はまさにピークにあったのです。
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琴電としても手をこまねいていたわけではないと思うのですが、そのようなことから翌1998年には元・名古屋市営地下鉄の15M級車両を譲受、長尾線と志度線にようやく冷房車導入の運びとなったわけです。以後、琴電自体の倒産などもありましたが旧形車の置き換えは進み、2007年7月の志度線の27-28(元・京急230形)の引退によって定期運用に供される旧形車はようやく一掃されたのです。画像は西武→山形交通→琴電と渡り歩いた890号(1998年廃車)。私が実見した最初で最後の「川造形」・・・感激の対面でした。
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現在、長尾線は元・名古屋市営地下鉄の15M級車両600形のみならず、線路改良によって1200形(京急700形)や1300形(京急1000形新製冷房車)といった18M級車両も運用され、車両の大型化が図られました。それ故か、以前は見られた3連運用は車両需給の兼ね合いもあってか廃止されています。一方の志度線は元・名古屋市営の15M級車両で統一されていて、3連運用もあります。
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懐かしいホームに降り立てば723-724が。かつての名古屋市営地下鉄の300形です。一駅だけ乗って今橋へ。ここは検車区と工場が併設されていまして、かつて解体直前の81号(南武鉄道→国鉄→東濃鉄道→琴電)を目にしたのが印象に残っています。「工場」とはいっても、全般検査のような大掛かりなものは琴平線の仏生山で行われるので、その都度わざわざ陸送しているのだとか。ここにも志度線分断の弊害が出ていますが、ターミナルビル建設に伴う区画整理には抗えなかったということなのでしょうか。
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その今橋駅から南に歩く事数分・・・。昼食のうどん店としてリストアップしておいた「さぬきや」さんです。ここ「さぬきや」さんははいわゆるガイド本に名を連ねるようなお店ではなく、地元のお客さんが主たる顧客。それは市街地という立地や控えめな店構えもそうですが、品書きには見えない瓶ビールやおでん、大盛といったサイドメニューやオプションの存在から察せられます。これは別段不親切というわけではなく、そういうものなのです。初入店のお店では調理待ちの間に店内の空気を詠むのも一つのマナー。友人はおでんに関心を持ってオバチャンにレクチャーを受けていました。おでんは店内隅のおでん桶からセルフで摘み、1串¥100です。
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初入店となればメニュー選びも迷いますが、この点だけ?は事前にぬかりがなくボリュームがあるという「親子」をオーダーします。店内はそろそろ昼時というだけあって入れ替わり立ち代りで結構な賑わい。近所には合同庁舎や自衛隊香川地方協力本部も所在し、それと判るお客さんも・・・。厨房では店主がひっきりなしに麺の茹で方に徹し、ほどなくしてお待ちかねの「親子」が出来上がりました。

言うまでも無く「親子」は卵で鶏肉を閉じたものですが、その鶏肉を噛んでみてビックリ!大変な歯応えがあるのです。それでいて麺はというと舌ざわりが滑らかにしてコシもあり、具材と麺が極めて絶妙なハーモニーを醸しているのです。私のなかの「讃岐うどん」というのは、関東でもチェーン展開しているセルフ式にあるような「コシが強すぎるだけ」というイメージだったのですが、ここ「さぬきや」さんの麺は前述の通り。そのイメージを完全に覆されたと言ってよいでしょう。もちろんコシが強すぎることは決して無く、どんな人にも食べ易いと思います。それでいてボリュームもあり「親子」は¥450!店内のその賑わいに偽りはありません。
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朝に続いて昼も炭水化物でシッカリと腹を満たして今橋駅へ戻ります。ここからの下りは先頭から622-621+803の3連です。あれ、3連ってラッシュ時だけではなかったの?と思ったのですが、後で運転席を見たら「3連(3両?)」のプレートがありましたのでどうやら編成によっては恒常的に3連で運用しているようです。最後部の803号がその3連用の増結車で、制御車でありながら冷房用電源等を自車で賄うためにパンタを搭載している変り種。連結妻側は基本編成の前面貫通扉位置が編成により一定しないので非貫通となっています。
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そして屋島停車。紅葉の山腹にはくっきりと廃線跡が!2004年に琴電倒産のあおりを受けて運行を終了した屋島ケーブルの痕です。
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やがて塩屋到着、ここで下車します。ここからは「房前(ふさざき)の鼻」と呼ばれるスポットに出向きたいと思います。もちろん初訪問。しかし、事前に調べておいた突堤へは・・・あらら、立入り禁止です。ゲートの真新しさから最近設けられた様子。次に第2候補のスポットへ・・・小さな踏切を渡った反対側の丘を上ります。
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するとそこには3000形335号の姿が!あ、もちろん下調べ済です(笑 ここ「房前公園」はR11沿いの「道の駅 源平の里むれ」の海側に設けられています。335号は2006年の廃車後、2007年から当地で保存されています。潮風に晒される過酷な立地ではありますが、後輩車両の奏でるフランジの軋み音も聞こえてくる当地で、末永く保存されてほしいものです。
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車内も公開されています。その乗務員室内の電球に思わず声を上げそうになりました。そう・・・あれはいつだったか、夕刻築港から乗り込んだ3000形の車内に踏み入れた刹那、乗務員室で煌々と灯るこの大型白熱電球が郷愁を帯びたインテリアを照らし出しているのに、思わず息を呑んだ記憶がまざまざと甦ってきたのです。
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その房前公園の最奥部からは志度線を間近に望めます。公園として造成される以前はもっとアングルに自由度があったようですが、旧形車も消え訪れるファンも激減したであろう今となっては、もうどうでもよいことなのかも知れません。しかし私にとって房前の鼻は憧れのスポット。たおやかな志度湾を背に低音の軋み音をを奏でながらゆっくりと列車の通過する様に、私はその宿願成就を噛み締め夢中になったのです。
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ひとしきり撮影を終え塩屋の駅に戻ります。ここから志度まで乗車し志度線を踏破。僅か2分間の折り返しの間に大急ぎで駅舎撮影です。志度駅は1931(昭6)年に開業時の位置から現在位置に移転していますから、駅舎もその折の築ではないかと推測されます。但し、戦中~戦後にかけての4年間は不要不急路線として休止されていましたから、この間に駅舎に動きがなかったとも言い切れないです。

志度から同じ車両で瓦町まで戻り、次は長尾線へ出向きます。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-11-29 18:48 | 外出・旅行 | Comments(4)
Commented by youroumania at 2010-12-02 22:24
こんばんは
昨年四国に行ったとき帰りに訪問するはずだった335号・・・大渋滞と下調べ不足で通り過ぎてしまいました(涙
気がついたときはすでに時遅し・・・家族旅行に鉄分紛れ込ますのは難しいものです。。。
Commented by ar-2 at 2010-12-03 21:09
youroumaniaさん、こんばんは。
335号、やはり下調べされていましたか。ここは駅からの徒歩圏内ですが、
62号は僻地にありますよね。いつか再会したいとは思っていますが・・・。
Commented by 小間物屋 at 2010-12-04 17:42 x
保存になってから行った事があるのですがその頃は
335の隣に映画版の世界の中心で愛を叫ぶのロケで使用された
地元タクシー会社のクラウンコンフォートが置いてあったんですが今もありましたでしょうか?
ダッシュボードに説明書きのボードがあったんですがもう退色しちゃって
殆ど読めない状態で何だかなぁ・・・といった感じがありました。
Commented by ar-2 at 2010-12-04 23:28
引き続き
>小間物屋さん
コンフォートですか・・・無かったですね。335のホームと反対側は来園客用の駐車場となっていました。
それにしても335、思っていたより状態が良好でした。風光も明媚な場所で印象深いです。


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