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2010年 10月 10日

湖国逍遥(1日目その2・八幡の街並みとヴォーリズを訪ねて~後編)

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ロープウェイで山麓駅に戻り、今度は八幡堀よりも南側一帯の市街地へと足を運びます。
ここにはかのウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計なる建築物が多数残存し、また一部エリアは国選定「重要伝統的建造物群保存地区」
ともなっているなど、かつて城下町から商都へと栄えていった近世~近代の都市空間とその風情を今に伝えています。

※画像は旧八幡郵便局2階



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ウィリアム・メレル・ヴォーリズ、1880(明13)年米国生まれ。当時の滋賀県立八幡商業学校の英語教師として1905(明38)年に来日し赴任。
基督教伝道者でもあるヴォーリズの人懐っこいキャラクターは生徒らの人気を博しましたが、故に宗教的対立の生じるところとなり、
赴任後僅か2年でその職を解かれてしまいました。しかしヴォーリズが近江で育んだ絆は固く、一旦帰国の後に建築家と共に再来日して
建築設計の事業を開始。日本人女性との結婚を経て後に我が国に帰化し、1964(昭39)年に没するまでの人生の大半を近江で過ごしました。
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基督教の信仰に則った社業の「近江兄弟社」はヴォーリズの創業(旧社名・近江セールズ)によるもので、主力商品のメンタームが有名。
ヴォーリズ像と道路を挟んだ向かいにある近江兄弟社本社ビルの1階は「近江兄弟社資料館」となっていて、ヴォーリズの生い立ちや
その功績について学ぶことができます。見学自由ですので、近江八幡観光の折にはチェックしておきたいスポットです。
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・旧八幡郵便局 近江八幡市仲屋町中 1921(大10)年築
ここからは今回見て回った近江八幡市内のヴォーリズ建築を紹介します。近江八幡市内を中心とした滋賀県内には多数のヴォーリズ建築が
残存していますが、とくに氏が拠点とした近江八幡市内は物件数が群を抜いて多く、今回巡れたのはその内の半数にも満たないほどです。
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・アンドリュース記念館(旧近江八幡YMCA) 近江八幡市偽心町中 1935(昭10)年築
オリジナルは1907(明40)年に建てられましたが、現在の建物はその意匠をコピーした2代目であるとのことです。
近年になってリペイントされたようで、以前に見た画像にあったエントランスが埋められてしまっています(1階中央部の凹みがその痕)。
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・近江八幡教会牧師館(旧近江兄弟社地塩寮) 近江八幡市偽心町上 築年不詳
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・村岡氏邸(旧岩瀬病院) 近江八幡市永原町 1933(昭8)年築
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・近江兄弟社学園ハイド記念館 近江八幡市市井町 1931(昭6)年築
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・ヴォーリズ記念館(旧ヴォーリズ邸) 近江八幡市慈恩寺町元 1932(昭7)年築
ヴォーリズの終の棲家。内部の記念館見学に際しては予約が必要とのことで、準備不足の今回は外観見学のみです。
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・滋賀県立八幡商業高等学校(旧滋賀県立八幡商業学校) 近江八幡市宇津呂町 1940(昭15)年築
同時期築の豊郷小学校旧校舎群にも通じるものが感じられる鉄筋コンクリート建築。旧校名でピンと来た方は鋭く、かつてヴォーリズの
教職を解いた学校のそれです。解職から30年以上を経ての設計依頼とはいえ、何とも皮肉な巡り合せです。
それでも依頼を断ることなく受けたのは、ヴォーリズの器というか伝道者としての身がそうさせたのか・・・興味深いところです。
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・近江八幡市立資料館(旧近江八幡警察署庁舎) 近江八幡市新町 築年不詳
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とにかく、あらゆる近江八幡市内のスポット(建物、八幡山、水郷等)を見て巡ろうとすると半日はおろか1日がかりでさえ危なげないのではと
思えるほどのボリュームです。とはいえ新幹線の通過しない立地故か観光地としては落ち着いた様があり、ある意味「穴場」なのかも知れません。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-10-10 14:26 | 外出・旅行 | Comments(0)


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