赤い電車は白い線

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2010年 10月 10日

湖国逍遥(1日目その1・八幡の街並みとヴォーリズを訪ねて~前編)

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京都駅烏丸口に4時間2分に及ぶ遅延を伴いながらも、無事到着した「ドリーム11号」。予定上ではここから近江八幡までJRで戻り、
近江鉄道のフリーきっぷを時間内に購入のうえ八幡市内を観光。その後豊郷町内の旧校舎以外のスポット巡りという目論みでしたが、
とにもかくにも優先順位からしてまずは八幡市内観光ということで、ホーム上で立ち食い蕎麦を流し込んで上り新快速に乗り込みます。



・京都11:00→(新快速)→近江八幡11:32
京都からは横浜市内までの片道乗車券の行使となります。これは途中下車前提というアタマがあるわけですが、当然ながら折り返しなどの
重複乗車は出来ませんからそれなりにコース取りが限られてきます。白紙同然となったスケジュールの修正を巡らせながら32分、近江八幡着です。
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・近江八幡駅11:40→(バス)→大杉町
近江八幡駅から八幡の市街地中心部までは事前にバス便のあることと、ノートに大まかな発車時刻を記してあったので迷う事無アプローチ。
近江八幡の駅前バス停傍らには金券ショップがありますので、ここでバス乗車券を若干ながら安く入手することもできます。
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六千円(当時)という建設費の大半を市民の寄付で賄われたという「白雲館」は、大杉町バス停から少し戻った場所にあります。
1877(明治10)年八幡東小学校として建てられた後は様々な使途に供され、1994(平成6)年に創建当時の姿に復原された由。
現在は観光案内所を併設する形で公開(無料、9:00~16:30)されていますが、今回は全体的に「巻く」ので見学は見送りです。
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その白雲館とバス通りを挟んだ真向かいに位置する日牟礼八幡宮の鳥居の先、白雲橋の下には「八幡堀」と称される運河があります。
かつての八幡城の防塁並びに琵琶湖水運における要として開かれた八幡堀。商都八幡の隆盛に大いに寄与したと言われますが、
水運の衰退により近代になると八幡堀はその機能を喪失、浚渫等が放棄された八幡堀は次第に砂泥が体積し荒廃していったのです。
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戦後の高度経済成長期ともなると生活排水の流入や不法投棄によって八幡堀はもはや堀と呼べる状態ではなくなり、地元自治体によって
八幡堀の埋め立てによる改修の陳情がなされたのです。この時代としてはごく自然な流れでして、東京都の六間堀(バス停名に残存)も
同様のケースと言えます。しかしここ八幡堀がそのまま埋め立てとならなかったのには、当時の青年会議所がこの計画に真っ向から異を唱え、
八幡隆盛の礎である堀を甦らせ守っていこうという呼びかけと、そして自ら再生作業を手掛けた事によるものなのです。
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「時代の流れ」に逆光するカタチとなった青年会議所のプロセスは到底市民に受け入れられるものではなく、完全なまでの孤立無援状態で
堀の再生を進めて行きました。しかし有言だけではなく実行し継続される運動はやがて人々の心を動かし、八幡一帯に及んだ共感の輪は
ついに改修工事中止という英断を掴んだのです。歩み始めた堀の再生運動はやがて滋賀県初の「国の伝統的建造物群保存地区」選定、
そして我が国初の「重要文化的景観」選定へと繋がり、八幡市民全体の「矜持」と言える無くてはならない存在となったのです。
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今日の八幡堀に観光資源的な位置付けが皆無とは言えませんが、それが一市民の運動によって再生されそして存続していることに
大きな意義があると言えます。文化財的にも景観面においても貴重な八幡堀一帯は時代劇等のロケ撮影にも頻繁に用いられているので、
モニターを通じて目にされている方も多いでしょう。湖東の商都「八幡」の歴史的景観を、一度訪ねられては如何でしょうか。
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コース取りが多少前後しますが、その白雲橋を進み日牟禮八幡宮を右手に見ながら進むとロープウェイ乗場があります。
近江鉄道直営のこの八幡山ロープウェイは、かつての八幡城(正しくは八幡山城)の居城した八幡山山頂までを結ぶ交通機関です。
蛇足ながら画像手前に近江鉄道バスのバス停がありますね。時刻表はと観れば・・・。
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どう見ても免許維持(笑 しかも平日だけです(神奈中のかつての週一よりは全然マシかw)。
皮肉な言い方をすればネタ路線ですね。ロープウェイ乗場までは大杉町からの徒歩で済みますから、路線の存在意義は恐らくありません。
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ロープウェイはというと、臨時の便を出したのでその回送を兼ねた頂上行きがすぐ出るとのことで、往復券を求めてすぐさま乗車します。
乗客は私一人の貸切状態で山麓駅を離れぐんぐん高度を上げていきます。見はるかすは商都・八幡の街並み。
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4分ばかり空中散歩を楽しんで山頂駅着。ここからさらに山上のかつての本丸跡には瑞龍寺の本堂が建っています。
元は豊臣秀次の菩提寺として京都に開かれていましたが、戦後になって秀次ゆかりの地である八幡山に移されたものです。
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ロープウェイの山頂駅からすぐ上がったところに位置する展望館前から八幡市内を一望!
右手に見える横長の建物はかのヴォーリズの設計なる「八幡商業高校」の校舎建築。後ほど訪れる予定です。
今回は登らなかった更に山上の西の丸跡からは、琵琶湖とその後背に連なる比良の山並みが一望できるそうです。
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上りのコンテナ列車、見えますか?

(つづく)
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by ar-2 | 2010-10-10 14:26 | 外出・旅行


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