赤い電車は白い線

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2010年 09月 11日

西国私鉄漫遊譚(3日目東海編その2・愛しき軽便!北勢線を行く)

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養老鉄道の列車は近鉄名古屋線のホームに到着しますが、ちゃんと有効長に亘る仕切りと中間改札を有しています。ここではチェックのみで
そのまま東口の改札へと進み出場。駅頭の橋上通路を歩く事少々・・・北勢線の西桑名駅が見えてきました。



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桑名駅東口バスターミナルの一角に北勢線の西桑名駅はあります。その始発駅らしからぬ「窓際的立地」の裏には当然のように歴史の悪戯があり、
かつてはここよりもさらに市街地側に更に100mほど進んだ場所に西桑名駅はありました。西桑名駅が現在地となったのは1977(昭和52)年のこと、
それまで西桑名駅構内にあった車両基地の北大社への機能移転をも伴う大規模なものでした。
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↑移転前の西桑名駅上空・・・その構内に注目です。
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ここまで来ればフツー?は北勢線乗車となる筈なのですが、実は終着の阿下喜から三岐線伊勢治田(いせはった)までの徒歩連絡による
コース取りでの接続が微妙だったので、この時点でも北勢線乗車を決めあぐねていたのです。ですが折角なので周辺散策でもということで、
まずは桑名駅の南方にある「3ゲージ」が並ぶ有名な踏切へ。手前から北勢線(762mm)、JR(1067mm)、近鉄(1435mm)です。
まあ画像では全く判別できないんですが(笑 ちなみにここの遮断区分は個々ではなく、北勢線はJRと纏められています。
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踏切周辺をウロウロしていたら(←不審者w)北勢線の黄色い電車が・・・やはり実物を見たら乗りたくなったので駅に向かいます。
折り良くも終点の阿下喜までの便、車番は先頭から274-144-137-143。先頭の274のみが電動車で後は全てトレーラーです。
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2009年に乗車を果たした近鉄内部線で762mmの「狭さ」を体感しているはずなのですが、ここ北勢線でも改めて感じた次第。
4連に旅客はまばらですが、最前部の274に乗り合わせたのは私だけ・・・この理由?については後に思い知らされることとなったのです。
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さあ、いよいよ発車です。ここ北勢線の電動車が吊り掛け式であることは以前から耳にしていましたし、内部線でも同じ様なクルマに乗っていますから
正直「音」に関しては大して期待していませんでした。と・こ・ろ・が! 内部線の260系と吊っている電動機は同形式であるはずにも関わらず、
その爆音振りは想像を絶したのです。ジワジワとした低加速ながら、その細身の躯体からは想像も及ばない鈍重な音色は腹の底から脳天を突くほどに
衝撃的。加速するにつれて次第に不協和音まで伴うダイナミックサウンドに「吊り掛け信者」は心酔の境地に達するのです。
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その音色は箱根登山のモハ1と東武野田線の5070系を足して割ったような・・・と言っても多分誰にも解らない気がしますが(笑
この「裏切られた」爆音は、恐らく床置冷房によって編成を組むトレーラーの自重が以前よりは増加している筈なので、当然のように
電動車にはそれなりの「負荷」がかかっているわけで、それ故に冷房車の居ない内部線とはサウンドが異なるのでは・・・と推測しました。

まあ本当のところはわからないですし固体差もあるのかも知れませんが、乗っけからその魅力に惹きつけられ、北勢線の道中を楽しんだのです。
沿線は市街地が途切れれば青い空の下穀倉地帯を淡々と走るのみ。車窓は涼やか?ですが、冷房車の割りに全然涼しくないなと思いきや、
車内片隅の「備え付けの団扇」と開きっぱなしの側窓で、ようやく先頭の274が非冷房車であるということを「下車後」に知る有様となったのです。
道理で誰も乗らないわけですよね(汗 涼しくも無いウルサい電車に乗り合わせるのは好き者だけです。
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と・・・思いきや、もうお一人?の姿が・・・。
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近代的な施設の東員を過ぎれば、左前方に検車区が見えてきました。北勢線の検車区といえば北大社では・・・というのはアタマが旧いようで、
北大社の駅は先程の東員に統合される形で廃止され、現在は信号所として機能しているようです。他にも三岐鉄道への経営引継ぎ後に
駅の新設を含む改廃事例が幾つかあり、その積極性には目を瞠るものがあります。
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楚原では行き違いのため8分程?停車。おかげでホーム反対側から各車の台車撮影など、ジックリ観察できました。
そして姿を現した対向列車は・・・来ました!北勢線唯一の湘南スタイルを有す200系電車です。1959年にカルダン駆動・3車体連接という
新機軸を盛り込んだ花形としてデビューしましたが、後に電装解除され3車体連接のトレーラーとしてその来歴の殆どを過ごしてきました。
近鉄時代に引退の噂が何度か出たようですが、200系は電動車に引かれたり押されたりしながら今日も元気に活躍しています。
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楚原から先は駅間距離が長くなり、ロケーションも一変します。
山並みが迫り勾配区間も多々現れてきます。そのロケーションは写欲を大いにそそるもの・・・。
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西桑名出発時には想像もできなかった「コレが北勢線なの?」と思わせるほどの鬱蒼たる木立ち。
勾配を伴いながら右に左に身をくねらせ、吊り掛け電車は阿下喜を目指す・・・北勢線末端のハイライトシーンです。
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そして終着、阿下喜です。小奇麗に整備された駅舎と駅前広場、その道路を挟んだ向かいには三重交通のバスセンターがあります。
バスセンターと言っても発車しているのは北勢線に並行する桑名までの1路線のみ・・・目張り痕にかつての活況が偲ばれます。
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駅の裏手には軽便鉄道博物館なる施設があり、かつて四日市スポーツランドで展示されていたモ226が整備の真っ只中です。
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「藤原岳の懐深く」
石灰石の産出地という点でも三岐線沿線というイメージが強いですが、ここ北勢線の終着阿下喜の後背でも堂々たる姿を湛えています。
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「夏空の下、軽便は走る」
西桑名から小一時間・・・めまぐるしく変わるロケーション、数多の歴史を秘めた小粒ながらも奥深い車両たち・・・それは感動の連続。
阿下喜を後に築堤を吊り掛け音と共に駆け上がっていく列車を見送り、再びこの地に訪れんことの期待を膨らませたのです。

次に目指すは三岐線の伊勢治田駅・・・行き当たりばったりの道中や如何に?

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-11 23:56 | 外出・旅行 | Comments(2)
Commented by youroumania at 2010-09-12 22:48
こんばんは
楚原から阿下喜のワイルド(?)な走りを堪能したようで・・・いいですよね!
Commented by ar-2 at 2010-09-12 23:40
youroumaniaさん、こんばんは。
事前の情報が無かったわけではないのですが、見ると聞くのとでは大違いですね。
西桑名から乗って、あのロケーションは想像できません。写欲をそそるポイントが幾つもあり、
また乗りに行きたいです。これも節酒?の隠れた効能でした(呑んでたら多分寝(ry 。


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