2010年 09月 06日

西国私鉄漫遊譚(2日目近江編その7・ 古典駅舎の肖像~鳥居本)

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近鉄旧本社社屋跡の残念な更地を目に焼きつけ、引き続き806に乗車。
次なる目的地は近鉄古典駅舎巡りのトリとなる、駅名もずばり「鳥居本」の洋風駅舎です。



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・彦根口15:13→ひこね芹川15:15(下車中止)→鳥居本15:25 806F
東海道線への乗換駅彦根では3分ほど停車。構内にはカラフルな面々が揃い、特に220がこの画像内だけで2両、更に工場脇に2両居ましたから
どうりで本日は巡り会わない訳だと納得。左の「あかね号」こと700系も1本だけですから姿は見れどなかなか乗車の機会が合いません。
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前回の訪問時には機関車代用の221とホキで遮られていたクモハ269の全容が見てとれます。パッと見は特に変化が無いようですね。
私が今後豊郷を通っていくうちにこのクルマも営業開始する日が来るのか、今後の楽しみが増えるのかと思うと期待せずにはいられません。
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3分停車を終えて彦根発車。工場脇の側線には220が2両!手前は222で奥のプロウ付が226です。226はパンを上げていますから
出庫の体勢でしょうか?りりしいプロウ付の雄姿も是非おさえたいですね~。
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そして鳥居本到着。
その駅舎はまるで童話の世界から飛び出してきたような愛くるしいスタイル。色使いもメルヘンテイストが感じられます。
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郵便受け?の口の造形もとってもオシャレ。
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駅舎内部は高い天井と大きな窓により開放的な印象。
正面口の両引き扉というのもこれまで巡ってきた古典駅舎とは異なるポイントです。
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~古典駅舎の肖像・その5 鳥居本駅~
1931(昭和6)年3月の彦根~米原間開業に合わせて設けられた鳥居本駅。その開業時からの佇まいを見せる駅舎は、
同じ洋風でも新八日市のそれとは一線を画していましょう。言うなれば新八日市は男性的で鳥居本は女性的?
腰の折れた屋根の造形は「マンサード」とも言われますが、そもそもマンサードというのは「4方向に向けて2段階に勾配がきつくなる」様式を
指すらしく、改めて本駅舎を見てみれば確かに長手方向の屋根は2段階に折れていますが、短手方向がそうかというとアヤシいですね。
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角度を変えてもう1枚。やはり短手方向の屋根は2段階ではなく、つまり鳥居本の駅舎をマンサードに当てはめるのは正しくないということです。
かといって、では同じ「2段階に勾配がきつくなる」ものの妻が切妻である「ギャンブレル」という様式かと言えば、それも微妙に思えてきます。
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この駅舎が建てられた昭和初期は看板建築にに見られるような、いわゆる洋風建築を地元の大工らによって見よう見まねで模造された建物が
多く生まれた時代であり、この鳥居本駅舎もその意匠は「見よう見まね」だったのではないのかと、確証はありませんが私はそう推測しました。
決してギャンブレルではなくどちらかというとマンサードの亜種、それでいてバランス良く纏められた外観は施工者の美的感覚の賜物でしょうか。
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正面口脇の炉のものと思われる煙突も独特ですが、ここでよぎるのは豊郷小学校旧校舎を始め、近江地方に数多くの「作品」建築を遺した
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの存在。氏の手掛けた洋風建築には煙突の設けられた物件が極めて多く、特にそれら作品群が生まれた
大正~昭和初期は鳥居本の駅舎の創建時期と重なり、もしやヴォーリズ建築の意匠も真似されたのかと思うとロマンを覚えずにはいられません。
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これまで巡った4駅のどれとも異なる造形に見とれつつも、間もなく米原行の列車がやって来ます。
そして姿を現したのは・・・なんと、先程彦根に居た700系「あかね号」です!近鉄漬けの1日のグランドフィナーレを飾るに相応しい出会いです。
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JR◎日本の185系電車の座席交換による発生品と言われる転換クロスシートと カバー付き室内灯の取り合わせがゴージャス。
もちろん本形式も西武401系(Ⅱ)の改造なるものですが、屋上のグロベン以外はその外観に全く原車の面影を見出す事はできません。
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「あかね号」だろうが何だろうが、マスコンはMC-1でブレーキは電気指令式と決まってるんだ!と言わんばかり。これが近鉄「標準」なのです。
となるとやはり気になるのは改造待ちの西武N101系・・・果たしてこれの運転台がどうなるのか興味津々です。
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近鉄漬けのトリを「あかね号」で迎え、近鉄線内を去ります。早くも次回訪問が楽しみなところです。
米原からは大垣までJRで。ホームでは上り新快速の入線時から居ましたのでスンナリ座れましたが、大阪方面からの新快速が着くや否や
アッという間に満席に。30分ばかり揺られて大垣到着、下車。本日の宿は乗り換えならいざ知らず、宿泊となると縁薄いここ大垣です。
さて本来ならここで2日目は終了となる・・・はずですが、予定よりも早いチェックインと日の長い季節が災い?し思わぬ展開となったのです。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-06 00:00 | 外出・旅行 | Comments(0)


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