赤い電車は白い線

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2010年 09月 06日

西国私鉄漫遊譚(2日目近江編その6・ 古典駅舎の肖像~彦根口)

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多賀大社前を後に、そのまま本線へ直通して彦根口まで進みます。
東海道線との乗換駅である彦根から2ツ目の彦根口、その駅舎に「ただならぬ空気」を車中から察した7/2以来の満を持しての訪問です。



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・多賀大社前14:39→彦根口14:48 822F
高宮の隣に位置する彦根口は交換設備を有し、折りしも朝方に貴生川から乗車した804Fと離合。822Fはホームを離れていきます。
その名からして彦根との近接を匂わせる彦根口ですが、2009(平成21)年に「ひこね芹川」が開駅するまではまさに彦根の隣駅でした。
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上下列車の去った静かな彦根口、貴生川方にある踏切は結構交通量が多く静まり返った駅構内とは対照的。
傍らのマンション傍には東海道線の踏切があり、警報機の音が頻繁に聞こえてきます。最初はもう次の近鉄が来たのかと勘違いしましたが(笑
ガランとした駅舎内の改札と待合室付近。広めにとってあるスペースはかつて需要が旺盛だったのか、単なる「見越し」なのか・・・。
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~古典駅舎の肖像・その4 彦根口駅~
近鉄最初の開業区間である彦根~愛知川間に在するここ彦根口ですが、その開駅は貴生川全通の翌年1901(明治34)年5月と後発。
しかしその容姿は日野と桜川よりも大きく堂々としていて、本年で109年目を迎える「最古級」駅舎の面目役如たるものです。
開業時は新町という駅名で後年に現駅名に改称。新八日市などと同様平日の朝間帯にのみ窓口営業がなされています。
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日野、桜川、そして今は無き豊郷の初代駅舎などにも通づる瓦屋根の典型的日本建築。正面口の左前にはコンクリート製の
古色蒼然とした公衆便所があったようですが、跡形も無く解体撤去されてしまっています。その代わり駅舎の姿は望みやすくなっています。
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1世紀超えの古典駅舎とバックのマンションの対比の妙が凄いですが、駅舎頭頂部には・・・「マル近」の鬼瓦、再び!桜川のとは書体が異なります。
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一部では有名な物件。1951(昭和26)年の「労働基準法適用事業場」の証紙が壁面に残存しています。
この証紙が戦後から今日に至る大部分の近鉄史をずっとずっと見続けてきたかと思うと胸熱。
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無数に交錯してきた時間、人、そして車両・・・。
109年という時空を超えて今も佇み続ける彦根口駅舎は、「レトロ」などと言う単語がチャチく感じられるほどに悠久の威風を凛と湛えています。
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年季の入ったプラスチック製の看板。
この「金亀(こんき)」という銘柄は、安政元年に彦根藩主であった井伊直弼の命により創業した酒蔵「岡村本家」のもの。
150年の歴史を経て今日もなお豊郷町内で盛業しており、今後の豊郷行においてはぜひともその伝統の味を堪能したいものです。
ちなみに「金亀(きんかめ)」というのは彦根城の別名である「金亀城(こんきじょう)」に因むもの。地場に縁ある素晴らしい銘です。
※訂正補足:金亀城の銘を「呼び捨て」るのは法度であるということから、酒の銘はわざと「きんかめ」と読ませているそうです。
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・彦根口15:13→ひこね芹川15:15(下車中止)→鳥居本15:25 806F
「明治駅舎」のイオンをたっぷり浴びて彦根口を後にします。次なる目的地は近鉄の旧本社社屋です。現在同社の本社機能は
彦根駅東口に本年新築されたばかりのビルに移転していまして、その旧社屋については以前より解体の予告がなされていたのです。

その旧社屋というのがタダモノではなく、1949(昭和24)年に建てられた彦根東中学校の木造2階建校舎を同校の1972(昭和47)年の移転により
近鉄の「仮」社屋としたものです。というのもそれ以前の社屋は彦根駅前に在り、まさに現社屋が戻ってきた格好となるわけです。
木造2階建ての「仮」社屋は1973(昭和48)年よりスタート・・・それから彦根駅前に戻ってくるまで実に37年間にも及んだ「仮住まい」でした。

その旧社屋は昨年開駅したばかりの「ひこね芹川」のホームから望めましたが・・・時既に遅し、すっかり更地となっていました。
本旅程ではここで下車するスケジュールでしたが対象物喪失とあっては手のうちようが無く、そのまま次の目的地に向かいます。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-06 00:00 | 外出・旅行 | Comments(0)


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