赤い電車は白い線

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2010年 09月 01日

西国私鉄漫遊譚(2日目近江編その3・古典駅舎の肖像~桜川)

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八日市からは本線を貴生川方に戻り桜川に向かいます。八日市ではホームの異なる乗り換え・・・大急ぎで階段を亘り乗り換え成功です。
ホームのアナウンスではすぐの接続の旨煽っていますが、一応接続漏れの無いように暫く様子を見ています。
結局、八日市線から乗り換えてきたのは私だけだったようで・・・。貴生川行は八日市のホームを後にします。



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・八日市11:02→桜川11:12 801F
単純に乗り潰すだけならまだしも、駅という「点」への立ち寄りを伴うとなれば大都会ならいざ知らず、列車本数の少ない路線では時にこのような
「行きつ戻りつ」を必要とする場合があります。ですから、事前に立てたプランがどこかでコケると立て直しが下手すれば不能になってしまいます。
スリルがあるっちゃあるんですが、兎にも角にも八日市の1分乗り換えは呆気なくクリアしてしまったので、もう心配の種は無く大舟に乗って行けます。
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ここ桜川の駅舎も木造に瓦屋根の典型的な日本建築。構内踏切を有するも日野とは違いオーソドックスな対向式のレイアウトですが、
イメージのそれは限りなく共通です。桜川への訪問目的は勿論駅舎ですが、それ以外にも知る人ぞ知るアイテムがあります。
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構内踏切からその「アイテム」があると思しき貴生川方向を望みますが・・・あれ・・・まさか・・・。
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~古典駅舎の肖像・その3 桜川駅~
とにかく、まずはメインの駅舎を観察しましょう。こちらも日野と同様、開業時からのままとされている駅舎です。
開設は日野と同じで1900(明治33)年10月、八日市~日野間の開業によるものです。イメージも似ていると言えば似ていますが、
決定的な違いは正面口が横手(短手)側に設けられているということです。現地で見た限りでは長手側でもよさそうに思えますが、
かつては長手側に何か建物があったか、それとも他に理由があったのか興味をそそられるところですね。

一つ考えられるのは、ここ桜川の米原方の駅舎側には貨物側線があり、そこへの荷物搬送路がちょうど駅舎の横手側に相当するであろうことから、
その搬送通路と旅客の流れがクロスするのを避けたのでは・・・ということです。そしてその貨物側線には木造の倉庫があったはずですが、
撮り溜めてきた画像を改めてチェックしてみたところ、どうやら解体撤去されてしまったようです。現地ではその存在をすっかり失念していたのです(汗
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鬼瓦が何とも特徴的!下は波涛で上は果物?この意匠も今となっては謎なんでしょうね。
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そして駅舎頭頂部の鬼瓦には・・・出ました!「マル近」の鬼瓦です。この「近」は言うまでも無く「近江鉄道」の「近」そのものですが、
このパーツが残存しているのはここ桜川と彦根口だけという超貴重品。言ってみれば、これぞまさに創業時の証拠品でもあるのです。
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こちらは正面口の反対側です。こちらの頭頂部の鬼瓦も「マル近」となっています。駅舎の外板もかなりの部分が更新されていますが、
背中の丸くなった躯体にその年輪を感じさせられます。黒ずんだ羽目板の一部は割れ、その向こうに土壁が覗いていました。
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何を思いながら刻んだのだろう・・・。
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さて、近鉄の桜川にはもう一つ見所がありました。それは著名ブログ「編集長敬白」で2009年9月に紹介された、近鉄創業時の木造客車の一部を用いた
いわゆる廃車体倉庫です。創業時というわけですから勿論明治期の製造、二重屋根や明かり窓の装飾、油灯穴などを今に残すという
貴重な個体とのこと。駅舎観察と併せての桜川行でしたが・・・結果は残念ながら解体撤去されてしまったようです。

初訪問ということもありその位置が特定できず適当にアタリをつけてシャッターを切り、帰宅後に同ブログ画像との検証の結果
この画像中央の樹木左側にその廃車体倉庫はあったようです。また、樹木の右側にはプレハブの平屋もあったはずですがそれも見えません。
どうやら先の貨物側線にあった木造倉庫も含めて、ほぼ同時期に解体撤去されてしまったのではないでしょうか。仕方ないとは言え無念です。

私の中では近鉄は「行動が早い」という印象が元々あり、これが改めて裏付けられたような格好です。というのもかつて近鉄には日野や桜川のような
開業時からの古典駅舎が纏まって近年まで残存していたのですが、高宮(2002年)、尼子(2003年)、豊郷(年不詳)、愛知川(2000年)、
五箇荘(2000年)というように全てコミュニティセンター併設の駅舎へと建替えられてしまったのです。時代の流れと言えばそれまでですし、
そこには記録する側の「早さ」も求められましょう。せいぜい、今あるモノを悔いの残らないよう記録していこうと改めて銘じた次第です。
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・桜川11:31→(快速)→八日市11:39 809F
駅舎に感激、倉庫にガッカリでしたが、プラン通りに歩みを進めます。やってきたの八日市行の快速列車!
快速といっても駅を飛ばすだけで運行速度は変わらないですから、次の停車駅八日市までの時分は各駅停車と2分しか違いません。
その快速は「ゆるキャラ電車」こと809F!車内に入れば水色のオリジナルモケットにゆるキャラが描かれています。
おまけに女性アテンダントも乗っていて、私は初見でした。ただこのアテンダント、北陸鉄道や養老鉄道などとは異なり乗車券販売や
車内アナウンスには一切携わりませんから、本当に乗客の「お手伝い」というか案内要員なんですね。相当お手空きな感じでした。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-01 00:00 | 外出・旅行 | Comments(0)


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