2010年 09月 01日

西国私鉄漫遊譚(2日目近江編その2・古典駅舎の肖像~新八日市)

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八日市から近江八幡行の八日市線に乗り換え、隣の新八日市に向かいます。実はこの新八日市、先程の本線列車の八日市到着直前に
車窓から認められるほど至近にあります。この「微妙な位置関係」こそ、かつて八日市と新八日市が別会社の駅同士であったことを物語るものです。



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・八日市9:40→新八日市9:42 806F
ここ新八日市は1913(大正2)年に八幡口(現・近江八幡)~八日市口(現・新八日市)間を結ぶ湖南鉄道のターミナルとして開設されたのが起源。
湖南鉄道自体はその後1927(昭和2)年の琵琶湖鉄道汽船への合併、1929(昭和4)年には八日市鉄道として分離独立のうえ再発足という
幾多の変遷を経ますが、湖南鉄道本社を兼ねていたという駅舎は21世紀の今日もその姿を留めているのです。
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~古典駅舎の肖像・その2 新八日市駅~
近江八幡行の806Fを見送れば、眼前には堂々たる木造洋風建築!下見板と縦長の格子窓の取り合わせはまさに「ハイカラ」そのもので、
生々しいほどの大正浪漫を全身から発散しています。これが21世紀の近江鉄道・・・エキゾチック・ジャパン!
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幾千幾万の旅客が往来したであろう改札口。視界に入るアイテムの殆どからはおよそ「21世紀」を感じ取ることは出来ません。
年輪、歴史・・・それらをどう表現しようとも、筆舌に尽くしきれない空気がこの場所にはあります。
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改札から出札を抜けて駅前側に出て数歩、振り返ればその泰然にして気品溢るる外観に、旧き佳き時代を愛する者は心酔することでしょう。
ホーム側と異なり薄緑に化粧された趣は一層ハイカラさを増し、開業時に建築に携わった人たちの心意気が伝わってくるようです。
駅前よりも1段高く位置しているとは言え、右手前に僅かに写り込む建屋と比してもその威容が存分に感じられましょう。
駅舎と駅前とを結ぶ横方向にも幅をもたせた階段も優美。後付けの手摺付階段により形は崩れていますが、佳き時代を偲ばせる造りです。
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角度を変えてもう1枚。薄緑に化粧されているのは駅前側の「面」だけでチグハグな印象も受けますが、それよりも改めてその泰然たる偉容に
しばし見とれてしまいます。なおここ新八日市は平日の朝間帯のみ窓口営業を行っていますので、その折の駅の様子も見てみたいところです。
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これは東面(八日市方の妻))ですが・・・かつてはこの面も薄緑に化粧されていたようですね。
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あらゆる装飾がこの建物の気品を昇華させ、見る者を典雅な世界へと誘ってくれます。

琵琶湖鉄道汽船から分離独立して再発足した八日市鉄道は、戦中の企業統制により1944(昭和19)年に近江鉄道へと合併させられ、
戦後の1946(昭和21)年にようやく新八日市と八日市とが結ばれて現在の体系へと至っています。構内とは柵を挟んだ傍らにはワムハチのダルマや
資機材が置かれておかれていますが、ここもかつては構内だったとか・・・。かつてのターミナル駅としての栄華は今や過去のものです。
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・新八日市10:13→近江八幡10:28 808F
駅舎観察もそこそこに近江八幡へ。やってきた808Fは真っ赤な「フジテック」の広告電車。同社はエスカレータ大手として近鉄沿線に拠点があります。
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・近江八幡10:44→八日市11:01 808F
新八日市~近江八幡間はほぼ真っ直ぐ。近江の穀倉地帯をスッ飛ばして往復です。さて、戻りの八日市から次の列車までの接続時間は
実に僅か1分。わざわざこんなダイヤにしているぐらいだから接続するよね・・・と思うもいささか不安です。その緊迫の結果や、如何に?

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-01 00:00 | 外出・旅行 | Comments(0)


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