赤い電車は白い線

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2010年 09月 01日

西国私鉄漫遊譚(2日目近江編その1・古典駅舎の肖像~日野)

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明けて8月29日、いよいよ「けいおん!!」の聖地的スポットである豊郷小学校旧校舎群への再訪と、近江鉄道全線踏破へと臨みます。
そして併せて、110年以上の歴史を有する近江鉄道の生き証人とも言うべき古典駅舎への訪問も組み込み「近鉄漬け」の1日となりそうです。



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昨晩は早めの就寝であったにも関わらず、自分でリモコンのスイッチを「ポチッ」としてエアコンをオフにしてしまったおかげで寝付けず、
未明の3時くらいにシャワーを浴びに行く始末。そんなこんなで迎えた29日の朝・・・晴れです。フロントに降りるエレベータ内では
シャワーに向かう某氏と鉢合わせ。お互い以後の道中には気をつけて・・・と宿を後にしてJRの新今宮駅に向かいます。
ここで本旅程初の18切符への入鋏。暫く待ってやってきた外回りは103系、隣の関西線も103系・・・こっちではもう考えられないシーンです。
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大阪には予定より早く着いたので朝食でもと思ったのですが、昨日の大阪屋は開店時間でないばかりか定休日ですので隣の吉◎屋で済ませます。
ホームに上がれば既に列が・・・というのも当駅7:15始発の新快速がありこれを狙っていたわけです。まだ列には全然余裕がありますが、
「非日常」である旅行においてまで整列乗車というのも今更ながら無粋に思えて来て、ホームに停まっていた先発の快速に空席が見えたのでスイッチ。
オーシャンの回送と抜きつ抜かれつの車窓を楽しみ草津まで。草津線の湘南色の4連に乗り換えてようやく貴生川到着です。
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今回利用するのは「S・Sフリーきっぷ」なるもので、土休日のみ利用可能となっています。発売は7:00からですので、平日バージョンともいえる
「ウォーキングハイキング」の個人利用の9:00発売とでは2時間も違いますから、時間が有効に使えます。発売額はやはり¥550とお値打ち。
近江鉄道(以下、特に断りの無い場合は近鉄(おうてつ)と称します)の営業キロは全線でおよそ60キロですから、どう考えてもこの額は安すぎです。

ちなみに私の近所の某電鉄は営業キロが10キロ程度ながら1日乗車券「のりおりくん」は¥580します。尤もこれは単純に全区間の往復運賃と
同額に設定しているだけですから、某電鉄の額が特別高いというわけではありません。近鉄の額が安すぎるのです。
ただ、近鉄の場合はフリーきっぷの額面云々よりも利用率のほうが重要なのかも知れません。実際、このようなフリーきっぷがあれば
「電車で行こう」とか、そういった需要喚起に繋がる可能性は多分に有り得ますし、例えそれが「聖地巡礼」という一過性とも取れる
ムーブメントに翻弄されたとしても・・・でしょう。収益以上にその鉄道の「存在価値を高める」事こそ生き残りのカギとなるのかも知れません。
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・貴生川8:45→日野9:02 804F
私のこれまでの近鉄乗車経験は前回の豊郷行(7/2)における米原~彦根~豊郷間のみ。本日はタップリ時間を使って全線踏破するのと、
前回訪問時に車内から見た彦根口駅舎に「ただならぬ」雰囲気を感じ、机上調査により判明した現存古典駅舎への訪問を楽しみたいと思います。
S・Sフリーを握り締めてホームで客待ちの804Fに乗車。暫くすると・・・「あかね号」が来ました!折り返しは回送のようです。

貴生川を後にして804Fに揺られて日野に向かいます。この区間は近鉄内でも特に利用が少ない区間でしてかつてのレールバス運行区間。
途中トンネルで山越えをしながら20分足らずで日野到着です。アナウンスで「列車行き違いのため暫く停車します」とだけ告げられましたが
具体的な発車時刻案内は無し。いつも乗っている客は周知でしょうが、実は10分も停まります。
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そして反対側ホームに目をやれば・・・出ました、日野駅舎です。もう完全に「鉄コレ」の世界ですね。ディスカバー・ジャパン!
1/150で目にすることはあっても、1/1をという機会というのはそうありません。そんな「ホンモノ」に遭えたらどんなに楽しいだろう、
どんなに感動するだろう!そんな世界がここ近鉄の日野駅にはあります。
構内踏切を軸に互い違いに設けられた上下ホームのレイアウトは、一見ありがちでも実はジオラマの配置ではスペース上の観点からトレスを
敬遠されがちですが、だからこそ再現したくなる意欲に駆られるほど魅力的。やはり三次元の教科書は三次元にありきなのでしょう。
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~近江古典駅舎の肖像・その1 日野駅~
明治期に開業した鉄道において、創業時から社名が一度も変わることなく現存するのは東武鉄道とここ近江鉄道だけです。
その誇りの歴史は1898(明治31)年6月の彦根~愛知川(えちがわ)間開業を皮切りに、今日まで刻まれてきました。
ここ日野は1900(明治33)年10月の八日市~日野間開業によって開駅、本年で実に110年目を迎えることとなります。
そして驚くべき事にこの日野駅駅舎は開駅以来大きな改築がなされず、いまなお当時のまま在りつづけているのだそうです。
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こういった広告って、契約期間とかあるのでしょうか。もしかしたら、「駅が無くなるまで」とか?支店が都内というのが「地元企業」らしく、
事実このメーカーさんは日野町で現在も盛業中です。但し東京の支店についてはその存在を確認できませんでした。
下段の空白のマスはバス発車時刻表。マジックで全体に「バツ」をした跡がうっすらありますがそれさえ消えかけています。
このマスが埋まるくらいのバス便がその昔はあったのでしょうか・・・。
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正面口に張り出した独特の庇は後付けでしょうか?それを支える木製支柱は中央部が膨らみ、さも「エンタシス様式」を思わせます。
瓦屋根を纏った典型的に日本建築とギリシャ発祥のエッセンスが入り混じった、何とも個性的な駅舎ではありませんか!
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鬼瓦の部分の意匠も独特。そのデザインに何かしらの意味があったりもするのか、興味深いところです。
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これは改札からホームに出た部分、後付けと思われる上屋ですが駅舎に連続して建て付けられています。
あらゆる部分に目を凝らせば、「人の手」でこの駅の110年は造られてきたのだなとつくづく感じさせられます。
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・日野9:12→八日市9:32 804F
悠久の時に思いを馳せた観察の時間はあっという間に過ぎ、間もなく発車の時間です。そして反対側にはモハ220!
青い塗装を纏った広告電車でしょうか。実は本旅程で動いているモハ220を見たのはこれっきりとなり、前回(7/2)とは対照的でした。
同じ804Fで八日市へ。ここは近江八幡への八日市線の分岐駅でもあるジャンクションです。ここ八日市駅の先代駅舎は外観が広告看板だらけの
いでたちが有名でしたが、惜しまれつつ1997(平成9)年に姿を消してしまいました。ここから八日市線に乗り換えます。

(つづく)
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by ar-2 | 2010-09-01 00:00 | 外出・旅行


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