赤い電車は白い線

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2010年 07月 11日

いざ聖地へ!!京都・豊郷巡礼紀行(豊郷編その1・近江にモハ220あり)

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2日目は京都を離れ、お隣滋賀県に移動し近江鉄道沿線の豊郷町を目指します。そこまでのメインアクセスである近江鉄道は私は初乗車・・・。一癖も二癖もあるというそのラインナップに心ときめかせます。



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明けて7月2日。
東福寺駅近くの宿を予定よりも早く出、JRの駅へと向かいます。ここは京阪とJRが並列して駅を設けていますが、現在は工事中か何かでJRの改札へは京阪の改札脇から連絡通路を経て至ります。早く出てはきたものの早朝なので電車の本数は少なく、30分近く待ちぼうけ。関東ではとうに絶滅してしまった103系に通勤客と一緒に一駅だけ揺られて京都着です。

画像は東福寺での待ちの間に脇の踏切で撮影したテレビカー。京阪は塗装変更の過渡期なので形式も含めて色々なバリエーションが楽しめます。踏切待ちの手前のタクシー、ハート型の行灯が見えますが・・・これってもしかして?(★2期第4話)
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頭端式の奈良線ホームから乗換通路に向かいゾロゾロ歩きますが、その通路にあるエスカレータ・・・よくご覧下さい。どうみても「右側通行」です。昨今では駅や商業施設等でエスカレータにおける歩行自体を諭す動きも見られますが、それはさておきエスカレータの歩行位置は関東は「右側」、関西は「左側」というのが以前からの定説でして、私自身何度かの関西行きで目にした限りでもこの例に漏れることはありませんでした。しかし、私が以前に倶楽部の仲間と京都を訪れた時に既に「右側通行」の現象が見られたのです。その時は単に「(他所からの)観光客が多いからだろう」と解釈したのですが今回は平日早朝のラッシュ時、奈良線の電車から足早に通路に向かう旅客の殆どがまさか他所者であろうはずはなく、ここに「京都ではエスカレータは右側通行である」という決定的瞬間を目撃するに至ったのです。

このことについては私なりに色々考えてみたのですが、合理的な理由が思い浮かびませんでした。尤もこれとて「京都ゆえの特性」だけで片付いてしまいそうな気がしなくもないですが、何にせよ「関西=左側通行」というのは少なくとも京都には当て嵌まらないようであることだけは確認できたようです。
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いきなり強烈な「カルチャーショック」の洗礼を浴びつつも、時間に余裕があるので列車見物です。117系のオリジナル塗装「関西急電色」(私はこう呼んでいます)ですね。やはり塗装と造形が渾然一体となったデザインが一番落ち着いています。
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こういう国鉄テイストが見られるのも関西ならでは・・・。
列車見物を終え、221系の新快速に乗車し彦根を目指します。ラッシュ時とはいえ京都から外の方向に行く便だからそれほど混まな・・・という淡すぎる目論みはすっ飛び、途中座席にありつけたものの通路にまで立ち客の出る混み様は彦根着までずっと続いていました。
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改札を途中下車で出場し胸弾ませながら橋上通路へ・・・眼下に拡がる怪しげなラインナップは期待に違わず!ついに近江鉄道堪能の機会です。

近江では西武401(Ⅱ)系改め800系が主力として活躍していますが、その部品供給車としてオリジナルの姿態を留めている編成が手前に見えます。右手に見える歴史を感じさせる旧形電機群は「近江鉄道ミュージアム」の展示車両でして、かつて貨物輸送が盛んであった近江らしく旧形電機を中心として自社貨車や電車、レールバス等を展示、更には資料館も併設されています。但し公開日は限られていまして、概ね月に一度(土日もしくは連休など)。これについては同社のサイトに公開日が記されています。
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橋上通路から反対側に目をやれば、最近転入してきたであろう西武N101系の姿が!但しこの2両も部品供給用とのことで手前がクモハ269、奥がクモハ291です。本運用の編成は現在彦根工場に入場しているようで、近江に久々の新風となりましょうか。しかし、それと入れ替わりに既存の車両にも変化の出る事が考えられますから、そちらの動向も大いに注目されましょう。
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前述の「近江鉄道ミュージアム」は本日は公開日ではありませんが、展示車両を眺めるだけでしたら駅の敷地外からも可能です。これは自社製造の車体と発生品の機器、台車の組合わせから成る500形電車です。左が506F、右が501Fで既に引退済みですが、かつては全6編成あり近江における主力でした。しかし西武401(Ⅱ)系改め800系の登場によりその座を追われたものです。
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台車は登場時はモハがDT12、クハがTR11というかつての近江における「標準」的なもので、これらは言わずもがなの旧形国電からの発生品です。かつて近江は1970年代に国鉄から旧形国電の台車や主電動機といった機器類「だけ」の払下げを受けおり、この500系にもそれらのパーツが充てられた可能性があります。よく言われる「名義だけの種車」というのがありますが、近江にかつて在籍した雑多な車両群も様々な来歴を有するも、MT-15主電動機、CS-5主制御器、AK-3コンプレッサーという「省電メカ」の三点セットを絶えずループさせてきたのでしょう。そしてその捉えようによっては「保守的」な系譜の果てに、後述する220形のような「狂気の吊り掛け電車」が生まれたのでしょう。
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こちらは米国ゼネラル・エレクトリック社製の舶来電機、ED14です。国鉄からの払下げでして、戦後は仙山線での活躍が有名。製造・輸入された4両全機が近江に集結し、そして2010年現在4両全機がここ彦根のミュージアムに展示されているという幸運な機関車です。
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これはホームからの撮影ですが、やはり国鉄からの払下げであるED31です。元は伊那電気鉄道(現・飯田線の一部)のデキ1形として製造され、戦時中の国有化政策により後にED31と改められたいわゆる買収電機です。全6台のうち1台は上信電鉄に渡り箱型車体に改修されましたが残りの5台は近江に集結し、2010年現在やはり全機が健在という嬉しい存在です。画像のED31 4はTR11?を履いていますが、ミュージアム内のED31にはBWの弓形タイプを履いたものもあり興味は尽きません。
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色んな目論見はあったのでしょうが、結果的には失敗に終わったレールバスの導入。しかし、こんな車両でも何だかんだで残したのはニクイです。窓下のリブあたり、何となく富士5Eの初期ボディに通じるものがありますね。叶わぬ願いですがやはり現役の頃に乗ってみたかったです。
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一通り観察を終え、いよいよ近江鉄道の改札に向かいます。予定ではここで「ウォーキング・ハイキングフリーきっぷ」を購入してからの乗車でしたが、この「ウォーキング~」は個人購入の場合、平日は9:00~10:00の間のみ発売という微妙に買いづらい?フリーきっぷなのです。ちなみに土休日は7:00~17:00の間発売ですが、3名以上のグループ購入ですと全日7:00~17:00の取扱いとなります。画像は後に米原で購入したものですが、近江鉄道全線フリーで¥550ですから乗り歩きの際には絶対オススメの1枚です。
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まだ9:00の発売開始まで30分くらいあるのですが、ホームにはあのモハ220形の始発米原行が客待ち顔で停まっています。私が近江入りしたのは勿論豊郷訪問が主目的ですが、このモハ220形には是非乗車したいという熱い願望をも持ち合わせていたのです。なので、米原まで¥290の乗車券を購入して乗っちゃいます(笑 目の前に停まっていて乗らないだなんて、そんな悠長な真似は私には無理です!
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ホームにはモハ222が停車中ですが、側線にはモハ221が電気側のサイドビューを見せて寝ています。足回りのグレーが割りと鮮やかで、西武赤電から流れてきたFS-40台車の滑らかなシルエットがハッキリと浮かび上がります。このFS-40は三岐鉄道に譲渡された西武571系のものが別の台車と振り返られて、台車だけが近江にやってきたという経緯があります。

それにも増して本形式を語る上で外せないのはやはりその「車体」にあると言えましょう。台枠は200・203・205形(車体=小田急1600形)から流用し側板は西武701系のものを「切り取って」組み付け。さらに新製した前頭部と「唐竹割り」した西武701系の屋根をドッキングさせるという、まさに木に竹を接ぐが如き製造がなされたのです。このあたり、さすが地方私鉄の工場と考えるのはアタマが古いようですが、上田原や長沼のように自社で車両の新製ないし大改造をやってのける地方私鉄がかつてはそこそこあり、平成の御世になっても近江においてそのような「技術継承」のなされていることに驚きを感じながらも、やはり頼もしくそして嬉しくも思います。
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モハ220形は旧来の近江では標準的なMT-15主電動機、CS-5主制御器、AK-3コンプレッサーという「省電」から進化の無いメカを有していますが、にもかかわらずブレーキについては電気指令式を採用するというトチ狂ったところを見せています。電気指令式ブレーキは空気管が要りませんからいわゆるワンハンドル車の大前提であるのは当然としても、モハ220形にそのシステムが採用に至った理由は何なのか・・・興味尽きないところですが、単に「新機軸搭載のテストケース」といったところかもしれません。しかし、傍らのMC-1マスコン(これも旧形国電の標準品)と隣り合ったイメージからはやはりピンと来ず、このモハ220形の印象をますます異様なものとしています。
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他にも、16M級の車体故に床下に冷房用のMGを儀装できず、苦肉の策として異例ともいうべき「直流駆動の冷房装置」を搭載したりと、本形式はそのレオカラーばかりが目立つ外観とは裏腹に極めて味わい深く、ファン的には大変興味の尽きない存在となっています。おさらいはこれぐらいにして、モハ220形にいよいよ乗車します。彦根のホームを発てばお約束の吊り掛け駆動の轟音!

吊り掛け駆動といえば近年まで5000系列で纏まった両数を有していた東武鉄道が思い浮かびますが、特に宇都宮線系統の5050系と野田線の5070系とでは個体差を差し引いてもそれぞれの「音」に特徴がありました。5050系は全体的に「こもった」感じのする優しげなもので、かつて個人頒布品で購入した横浜線モハ72形の録音テープで聴いた、あの旧国の音に近いように感じられました。

対して5070系はストイックな高音を発するハスキートーンで、特に高速域における再加速時はまさに「断末魔の叫び」が如き音を発しました。惰性時ではギアの擦れる金属音以外にもモーターそのものから?も音が断続的に出ていて(いまだにこれがよくわからないのですが)、再加速時にはその音とモーター駆動音とが綺麗に繋がるのです。とは言えその先にあるのはハスキートーンの「大爆音」でして、通常の会話もままならないほどでは乗客の不評を買うのも無理はなく、今や記憶の中と私がモハ5281で録音したテープで偲ばれるのみです。
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モハ220形の音色はどちらかというと前者、即ちやはり旧形国電系の音がします。それでいて単車であるが故か力を持て余すのか加速に勢いがあり、音もそれに合わせてトーンが上がるので刹那ビックリします。惰性時はギアの擦れる金属音のみが優しく響き、このあたりも5050系とソックリです。しかし・・・素晴らしい音色です。これが聴けるなら、月イチで通ってもいいと(一瞬)思ったくらいです。

車内のアコモデーションは座席のモケットが西武の車両からの流用品ですが、経年故かかなり痛みが見られ継ぎ接ぎで処理している部位も。先ほど彦根で見たN101系によるモハ220形の動静を思わず案じずにはいられません(となるとやはり月イチコースですか?)。
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モハ222に乗車しての楽しい時間はあっという間で、鳥居本、フジテック前を過ぎれば終点米原。ここで一旦下車し先程記しました「ウォーキング~」を無事購入します。モハ222が停車したのが道路側の線でしたので、都合よく空気側も観察できました。資料用・・・になるかどうかは別として機器類を激写、手の届きそうな位置にあるFS-40に夢中になります。
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モハ222は折り返し彦根行(9:15発)でそのうえ後発ですから見送り、先発(9:05発)の貴生川行に乗車します。やってきたのは・・・西武401(Ⅱ)系改め近江800系です。同系の中には前面が220形と似た形態に改造されたものもありますが、この822Fは四隅の面取りや飾り帯の喪失を除けば元車の面影を多分に残しています。一見新しそうにも思えますが、抵抗制御の電車も貴重になってきました。
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クハ1822の連結妻銘板・・・朽ちながらも残っています。
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こちらはモハ822の車内銘板。連結妻は「所澤」ですがこちらは「所沢」ですね。興味深いところです。
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この車内に思い出のある方も多いことでしょう・・・。
822Fは私と少しの乗客を乗せて発車、今来たコースを戻ります。彦根からは通勤客がどっと乗り込みアッという間に満席状態に!しかし何故か装いが皆「カジュアル」なので私も溶け込みます(笑 しかしその通勤客一団も高宮で多賀線にどっと乗り換えてしまいます。多賀線の唯一の途中駅である「スクリーン」は産業機器メーカー「大日本スクリーン」の企業駅ですので、そこへの通勤客なのでしょう。
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再びガラガラになった822Fは短尺レールを飛ばし・・・遂に来ました、豊郷です!

(つづく)
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by ar-2 | 2010-07-11 22:16 | 外出・旅行


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