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赤い電車は白い線

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2009年 01月 20日

東武で行く日光・鬼怒川放浪紀行(後編)

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上今市での撮り鉄の真似事を無事済ませた我々は、今度は鬼怒川線の鬼怒川公園を目指します。




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初乗車の鬼怒川線の車窓は新鮮です。鬼怒川を渡る高い橋は見覚えのある景観。ああ、ここなのかと感慨深いです。
鬼怒川温泉で殆どの乗客が降りてしまい車内は一気に閑散とします。駅前に目を転ずればバスやタクシーが並びます
しかしシーズン的なものもあるのでしょうが、土曜にしてはやや活気に欠けるようです。

鬼怒川温泉を発車すると線路は崖伝いにコースを取り、車輪を軋ませながら徐行して進みます。
車窓に展開するのは、さも徐行によって晒し上げのごとく居並ぶ旅館やホテルの廃墟群…。
鬼怒川を挟んだ対岸に林立するホテルも、まるでタワーマンションのような風貌。果たして今の鬼怒川にはオーバースペックでしょう。
言うまでも無く、鬼怒川は団体客に依存しすぎた地域全体の体質がたたり、その斜陽化は並大抵のものではないのだとか。
狂乱のバブルはとうに過ぎ、余暇の多様化により旅行のスタイルも細分化し、団体客ありきだった鬼怒川の地盤は沈んで行ったのです。
これはどこかで見た景観…そう、熱海です。メインストリートに連なる高層ホテルの廃墟と、鬼怒川がいまオーバーラップします。
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日中の快速の区間快速化や、100系スペーシアの今後を考えると、鬼怒川の将来は読めません。
ワールドスクエアの存在もまたその「必死さ」を一層強調させているようで、哀れみの念さえ感じられます。
鬼怒川公園駅から裏手に回ったところにある「鬼怒川公園岩風呂」。俗に言う公衆浴場の一つですが、
入湯客は専ら地元の老人ばかり…といった雰囲気で、我々以外に観光客らしい姿は見えません。
受付のオバちゃんたちもヒマそうにしゃべりに興じています。印象は悪くはないですが、、やはりおちぶれています。
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その鬼怒川公園自体も閑散としたもので、読売ランドみたいなバッタもんステージも使われている様子はなく荒涼たるもの。
駅前にも大した商業施設はなく、終わっています。これに東武動物公園まで各駅停車の区間快速とくればもう目も当てられない。
そう、紛れも無く鬼怒川は全体が「影」になっています。その「影」のヌシが何なのか、解明されるのはいつのことでしょう。
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慌しく入湯を終え、再び下今市へと戻ります。下今市手前の信号待ちでは…300系だ!団体の回送のようです。
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今度も6050系…ですが、60100番台の野岩車です。
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20年振りの日光です。鬼怒川での印象が寒々しいものであったため、それよりはマシに映る駅前の光景。
しかしここ日光も、JR・東武による新宿乗り入れというテコ入れがなされた背景を考えれば、決して安泰とは言えないでしょう。
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駅前からは「世界遺産(二社一寺)巡り」の循環バスに乗車。東照宮を経て二荒山神社へと向かいます。
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今回は二社一寺全てを巡る余裕はありませんでしたが、今回の20年振りの訪問がキッカケとなり機あらば巡ってみたいと思います。
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参詣を済ませ、おみくじをひいてみます。「大吉」!しかし…もう手遅れですが何か(笑
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再び循環バスに乗り、神橋(しんきょう)で下車。乗車したバスは後部がドーム状に膨らんでいます。
バックの建物は土産物・食堂などが収まっています。ここでかなり遅い昼食を摂ることに。
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その前に神橋も見ておきましょう。20年前は渡れませんでしたが今は有料で渡れます。
個人的には神橋よりも、対岸のその傍らに見える日光軌道線の僑台跡にそそられますね(笑
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日光名物という「ゆば」の載った「ゆばそば」を賞味しました。気に入ったので「味付けゆば」をお土産に購入。
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駆け足で巡った一日ももう間もなく終わりです。東武日光からのアンカーは…出ました、350系です。
個人的にはこれを今日一日待っていたのですよ!臨時特急「きりふり262号」です。
350系は定期列車で日光までの運用は持たず、このような臨時特急は貴重なものです。
元急行用1800系の改造というだけあって座席もリクライニングせず、100系スペーシアと比べて格落ち感タップリなため、
特急料金も安くなっています(浅草~日光の休日料金で100系=¥1400、350系=¥1000)。
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うるわしのキノコクーラー…マニア的にはコレがたまらないのです。
駅頭のポスター等で周知がされてはいるものの所詮は臨時特急、終始ガラガラでこんなんじゃその内設定されなくなるかも知れませんね…。
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燃料充填もバッチリです(注※ 1人分です)。
西日を浴びながら「格落ち特急」は浅草を目指します。車内では談話したり、泥酔したり、惰眠をむさぼったり…。
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17:25、アンカーは暮れなずむ隅田川をグランドフィナーレの如く静々と渡り、浅草駅ホームに定刻に到着しました。
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「ロボット顔」「ペコちゃん」…様々なニックネームのある1800改め350系。やはりかつての急行「りょうもう」の印象が強いですね。
あの塗装のまま波動輸送用で残る編成もありますが、塗装は変われどこうして旅客輸送で優等列車として稼動する姿に私は惹かれます。
何はともあれ、無事浅草駅にたどり着けました。さすがに日帰りはカツカツですので、そのうち泊まりでの再訪もしたいところ。
普段はブルーストライプの東武電車ばかり注目していた身とすれば、今日のように暖色ストライプにまみれたことは大変な刺激となりました。

蛇足ながら…今回は浅草→上今市、東武日光→浅草において株主優待乗車証(いわゆる株乗)を用いました。
株乗は1券片につき片道有効でして、私の購入したチケットショップ界隈での相場は1枚¥800~850でして、
それ以上の運賃区間ではおトクとなります。ちなみに浅草~東武日光は¥1320、同鬼怒川温泉・新藤原は¥1500ですから、
往復で考えると相当な額となることがお判りいただけるでしょう。特急券との併用もOK。浮いた額は?もちろん酒代です(笑

by ar-2 | 2009-01-20 20:51 | 外出・旅行


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